Q1 統一的な消費者行政を阻害してきたこれまでの行政に対する認識について

▼大河原雅子:

今日の大臣の趣旨説明の中で、「これまでの行政は、明治以来、各府省庁縦割りの仕組みの下で、事業者の保護育成を通じて国民経済の発展を図ってまいりました。消費者の利益の擁護及び増進は、あくまで、産業振興の間接的、派生的なものとして取り扱われてきたにすぎません」という部分がある。

福田前総理が、「国民の安全と福利のために置かれた役所や公の機関が、時としてむしろ国民の害となっている例が続発しております。私は、このような姿を本来の形に戻すことに全力を傾注したいと思います。今年を生活者や消費者が主役となる社会へ向けたスタートの年と位置付け、あらゆる制度を見直していきます。現在進めている法律や制度の国民目線の総点検に加えて、食品表示の偽装問題などへの対応など、各省庁縦割りになっている消費者行政を統一的、一元的に推進するために強い権限を持つ新組織を発足させます。併せて消費者行政担当大臣を常設します」と、第169国会の参議院本会議の答弁で激しく言われていた。

私は、明治以来の縦割り云々、福田前総理がはっきりおっしゃったことを是正するために、総理が言われた強い権限を持たせることに重点を置かなければいけないと思う。福田前総理と野田大臣は、行政がそれを阻害してきた部分があるということの認識は共通であるか。

△野田消費者行政推進担当大臣:

初代の消費者行政担当大臣は岸田現在筆頭理事で、私は、福田前総理という希有の大先輩によって懸案の消費者行政がメインに運ばれてきたことを大変うれしく思う。自民党は産業振興に力を入れてきた政党だが、その中で数少ない、専門性の高い消費者行政に携わっていた議員のリーダーであった岸田先生が福田総理の下で初代の大臣だったということは、国の方向が変わっていく大きな第一歩であったと誇りに感ずる。

私自身は大臣を務めているが、そういうお二人が築いた大転換に大切なことは普通の消費者が付いてこれることであると思う。私自身は消費者行政の専門家でもないし、高度な知識を持った消費者ではなく、極めて普通の消費者だ。そういう私を含めた国民全般のパートナーになるべく消費者庁をつくるということで、私が今の大臣を務めさせていただいていると自覚している。

その中で、福田前総理が所信演説の中でおっしゃっていたポイントは、縦割り行政の下で産業振興最優先の中で何が起きてきたかというと、例えば、何か起きたときの消費者からの情報が一元的に集約されていないとか、関係省庁間で情報の共有がされない問題、又は省庁の中でも分担と連携が非常に不足している、またさらに問題は、自分の扱っている産業界が起こした事故や事案、事件であっても、それに対しためらいがあり、権限の不行使が行われたり、権限の不備があったりした。そういうことがずっと山積されてきたことに福田総理は憤りを感じておられ、これを一掃させ、新しい行政組織をつくることで、消費者のしっかりした権利の擁護、増進、さらには、消費者を中心とした国づくりをしていかなければならないということをお考えになったと思っている。

Q2 消費者を守る「強い権限」について

▼大河原雅子:

野田大臣は、「普通の消費者」とおっしゃったが、消費者教育を進めていく中で、消費者に普通も先進的もなくなってくると思っている。今回の大変革で強い権限が本当に実現できるのかが注目を集めている。

強い権限とは大臣はどのようにお考えになるのか。現在は八つの権利が消費者基本法の中にもうたわれているので、この消費者の権利を守るために強い権限も使われると思うが、いかがお考えか。

△野田消費者行政推進担当大臣:

様々な問題点がある中、行政の在り方そのものを大きく変えようと、そして消費者利益の擁護及び増進を任務とし、消費者を主役とする政府の舵取り役をつくろうというのが消費者庁である。消費者庁が、消費者被害に関する情報を一元的に集約し政府全体の迅速な対応の司令塔として機能し、消費者に身近な法律を自ら所管し企画立案や執行を行うこととなる。自ら所管しない法律の分野について必要がある場合には、関係大臣に対し法律に基づく措置の実施を求める。いわゆる「すき間事案」については、新法である消費者安全法に基づき重大消費者被害の発生、拡大の防止を図るため、必要な場合に、事業者に対し勧告、命令等の必要な措置を命ずることができる等の強力な権限を持つことになる。

こうした点において、消費者、生活者の視点に立った強い権限を持った統一的、一元的な組織をつくる、そういう精神が反映されているのではないか。

また消費者の権利について、消費者基本法においては、消費者の利益の擁護及び増進に関する総合的な施策の推進は、消費者の権利を尊重することを基本として行うということが定められている。

消費者庁や消費者委員会の設置により、安全や選択の機会の確保、必要な情報の提供などの消費者基本法に規定された消費者の権利の実現に向けた取組が推進されることになる。

Q3 消費者庁と消費者委員会の対等性について

▼大河原雅子:

ケネディの特別教書から45、6年たつ。日本で消費者基本法ができたのは2004年。しかし、同法の中で8つの権利が1つずつ明確に具体的に擁護され、そのための施策が打たれているとは思えない。だからこそ今回の大変革で三法ができるのだと思う。

それで、行政組織はできても、この消費者政策は充実せず、底が抜けてしまうとことになっては困るので、今回の政府案に国会として修正案が掛けられたことを評価したい。

消費者庁と消費者委員会が対等であると、法案のタイトルからして変わったと認識しているが、修正を掛けられ対等になったということを大臣はどのようにご自覚か。

△野田消費者行政推進担当大臣:

大切なことは、一つの役所をつくるときに、これまではその役所がメインだったけれども、消費者、国民がパートナーと言っている以上は、消費者庁の中に常にそれが接せられる場所が必要だということだ。今回の、かつて消費者政策委員会、今は修正協議して消費者委員会、これは普通の審議会とは違うオリジナルな独創性があったと思っている。

私は、むしろ最初のころは透明性を非常に強調してきた。つまり消費者庁で行われていることがすべての国民に広く理解されなければならないという意味で、そのパートナーとして国民の代表である消費者政策委員会がしっかりとその両輪として動いていくことが消費者に対する安全への担保になると思っている。

修正協議等、委員会審議の中でそれだけでは駄目だと、べったりとくっついてはいけないと、独立性が強調されることになり、それは消費者委員会の値打ちが上がるのであればそれは喜ばしいことでないか、むしろ独立性、透明性が私は大変重要だと思ったけれども、それにプラス独立性が付くとますます消費者がその委員会に対して信頼を置いてくれるということであれば非常によろしいことではないかと。そういうことで修正協議の結果は、消費者委員会は消費者庁の横にいつもいるのではなく、少し距離を持って内閣府本府に置くことになったことで、内閣府に置かれる組織という意味では両者は同じ位置付けになったと言える。

Q4 対等性の中身について

▼大河原雅子:

(衆議院での修正案の)提案者に伺いたいが、消費者委員会と消費者庁は対等であること求め修正を掛けられたが、消費者委員会と今大臣がお答えになった何をもって対等かという、求められた対等の中身と、それから消費者委員会、これまでの民間の事業者との関係も含めてお答えいただきたい。

△階衆議院議員:

何をもって対等かという前段の質問については、まずは権限が従来の審議会とは全く違うということがある。諮問に応じ答申をするだけでなく、自ら自発的に調査審議して建議を行い、立法の提言などもできるということ。それから、内閣総理大臣に対し行政処分等の勧告ができるということ。それから、関係行政機関の長に対して報告を求めることができるとか、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。こういった主にその三つの権限、これは普通の審議会にはないところで、これが対等であるということの根拠になる。

それから、後段の民間事業者との関係という質問については、民間事業者に対し消費者委員会がどこまで介入できるかは、修正協議の中でも議論になった。我々は、設置法8条で、民間事業者に対し資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができるように、関係行政機関の長の後にその他の者を入れようとしたが、二重行政になるということで、最終的には我々の意見は取り入れられなかった。

ただ、一方で、消費者安全法の20条の修正は合意が成立し、「消費者委員会は、消費者、事業者、関係行政機関の長、その他の者から得た情報、その他の消費者事故等に関する情報を踏まえて必要があると認めるときは、勧告をすることができる。」ということで、ここに事業者から得た情報という表現がある。事業者から情報を得られることは、その事業者に対し任意で、事実上、情報を得て、その後のアクションにつなげていけるようになっている。

ちなみに附帯決議にもあるように、「消費者委員会は、自ら積極的に調査審議を行うとともに、内閣総理大臣等への勧告・建議をはじめ、その与えられた機能を積極的に行使し、消費者の利益の擁護及び増進のため、適切にその職務を遂行すること。」ということも設けられており、消費者委員会が、先ほど申し上げた事業者との関係を含め適切に権限、職務を遂行することが設けられている。

Q5 情報開示について

▼大河原雅子:

消費者庁と消費者委員会の対等性は非常に注目していた。ご協議いただいたご苦労は本当に大変であったと思う。消費者委員会から事業者にアプローチが直接的にはできないものの、二重行政にならないことを宣言したので、消費者庁の役割は大変重要と思う。是非その点を私どももきちんとチェックをしていきたい。

次に、情報の開示について伺いたいが、消費者安全法第4条の3で、情報の開示をうたっているがその意味はどういうことか。

△階衆議院議員:

ご指摘の消費者安全法案第4条3項も修正協議がまとまったところだが、修正前は、国及び地方公共団体は、消費者安全の確保に関する施策の推進にあたっては、基本理念にのっとり、消費者の意見を反映させるために必要な措置その他の措置を講ずることにより、その過程の透明性を確保するよう努めなくてはいけないと、透明性の確保に努めるということである。その透明性の確保に努める方策として、従前は、「消費者の意見を反映させるために必要な措置」という文言だけがあったが、ここに、大河原委員御指摘のとおり、「消費者事故等に関する情報の開示」を加えた。

これによって2点変わる。

まず、消費者の意見が、情報が不十分な中、あるいはその情報が間違っている中では、これは消費者の意見をいかに取り入れようとしてもその意見そのものが適切ではない。そのため、消費者の意見を反映させる前提としては、情報開示がしっかりなされている必要があり、これが(情報開示を追加した)理由の1点目である。

2点目は、単に国及び地方公共団体の責務に限らず、情報の開示は、消費者の問題というのは同種の被害が拡散的に多発するという特性があるという中で、なるべく早く情報を行き渡らせないと被害がどんどん拡大してしまう。情報の開示は消費者の注意喚起を図る意味でも非常に大事である。この2点を理由に先ほどの文言を加えさせていただいた。

Q6 国会への報告について

▼大河原雅子:

消費者の被害というのも時代とともに本当に中身が変わってきており、あっという間に被害が広がるということがある。正確な情報と、それをいかに国民にわかりやすく、きちんと伝えていくかも大事だ。

重ねて提案者に伺いたい。この消費者安全法の第13条において、情報を取りまとめた結果(の概要)だけではなく、結果そのものを公表し、それを国会に報告するということにした理由は何か。また、国会報告はどれくらいの頻度で行われるのか。

△小宮山洋子衆議院議員:

当初政府案には、取りまとめた結果の概要ということだった。概要というと全体ではなく要点だけになる。消費者事故などに関する情報は国民にとって共有の財産でもある。事故の再発を防ぐためできるだけ細かい情報が必要だということで、概要ではなく、取りまとめた結果そのものを公表するとした。附帯決議の11番目に、「消費生活に関わる事故に関する情報は、国民の共有財産であるとの認識に基づき、消費者庁を含む関係省庁は、消費者事故等に関する情報について、個人情報保護に配慮しつつ、十分な開示を行うこと」とした。また同時に、その結果を国民が選んだ代表の機関である国会に報告をすることによって、国会がその内容を十分に承知し、消費者安全の確保に資するような立法措置など、十分な議論を尽くすことに供することにしたいということだ。

国会報告というと年に一度だけが通常だが、これはなるべく早く細かい多くの情報を得ることが必要なので、結果の取りまとめが行われ、公表がされる都度、本当は国会への報告がなされることが望ましいと思う。しかし日本の国会は会期制で、いつも開会しているわけではないので、休会中のものは開会された直後に国会で報告がなされる。この点についても、附帯決議の第13項で、「適時適切」に報告しなければならないとしている。

Q7 各地方公共団体で聴取した消費者問題の情報の共有と開示について

▼大河原雅子:

各地方公共団体で聴取した消費者問題の情報の共有、開示についてはどうなっていくか。

△田中内閣府国民生活局長:

とりわけ、生命、身体にかかわる被害の情報等について、これまでのところ政府部内で一元的にこれを収集する仕組みがなかった。そこで、関係府省・機関が保有する消費者事故情報を一元的に集約するための事故情報データバンクを創設する予定で準備している。

この情報については、消費者庁ができると、消費者庁で集めたものを分析し、全般的な事故動向や重大な事故に関する分析情報を公開するとともに、個々の事故情報についても、内容の確認を行った上、事故の対象物、事故の発生状況などの情報について公開を予定をしている。どのような方法で行うべきか等については検討中である。

Q8 冷凍ギョーザ事件と消費者庁の役割

▼大河原雅子:

中国から輸入された冷凍ギョーザの事件は大変な事件だったが、当時は消費者庁はなかった。今後は消費者庁があり、(同様な事件が発生すれば)どのように動いていくのか、消費者庁の役割はどうなっていくのか。

△増原消費者行政推進担当副大臣:

消費者庁ができ、仮に冷凍ギョーザ事件と同様の問題が発生した場合、消費者の安心、安全を確保するために政府一体となった迅速な対応を行うために消費者庁が中核的な役割を果たすことになる。

具体的には、新法である消費者安全法等に基づき、重大事故等に関する情報として、情報の一元的収集、集約ルートをたどり、事故情報が地方公共団体などから消費者庁に直ちに上がってくる。そして、消費者庁はそれを収集、分析し、消費者に分かりやすい形で迅速にそれを公表し、これ以上広がらぬよう注意喚起を行う。もちろん、この注意喚起や措置要求の前提として、消費者庁自らが必要とすれば立入調査を行い、更には他省庁に調査を行わせるのも可能である。

また、消費者政策担当大臣の指示の下、緊急対策本部を開催し、厚生労働省あるいは農林水産省、更には警察庁、外務省等と緊密な連携を図り、各省庁に対し、業者に対する自主回収や所管する法律に基づき、聞き取り調査あるいは行政処分等を行うとか、外務省であれば外交ルートを通じた情報収集等を含めた迅速な対処を促すことになる。更に必要な場合には、関係大臣に対し、所管する法律に基づき取り得る行政処分、例えば厚生労働大臣であれば食品衛生法に基づく危害除去命令、とその発動等、措置要求を行っていく。以上のようなことを政府の司令塔としてやっていくということである。

▼大河原雅子:

政府の司令塔というのは閣法のご説明のときに言われたことだが、これは動き出せば、いろいろなところに問題箇所、課題箇所が出てくると思う。これがきちんと動いていくための準備を十分にしていただき、政府が責任を持って、きちんと迅速にその情報や対処方法を国民に伝えるシステムとして稼働させていただきたい。

ギョーザ事件の時には、様々な部署から紙がばらばらに出て、ばらばらな方がご報告されるという状況だった。まさかそれが一つづりになってホッチキスで留められただけのものが出てくるとは思いたくない。ぜひとも、消費者庁ができたからこのように対応ができた、とわかるようにお願いしたい。

Q9 相談員の処遇問題について

▼大河原雅子:

地方の消費者行政にかかわる予算が半減をし、窓口の方たちが官製ワーキングプアになっている。相談員を増やせない(財政)状況下ではあっても、地方の消費者行政にかかわっている一般の自治体職員も消費者行政に対するマインド(理解)が必要で、一般職も含めたスキルアップが必要だと思う。この点での養成をどう考えているか。

私は消費者行政において今、格差があると思う。それをどのように埋めていくのか。相談員の資格制度もばらばらで、今は国の制度がない状態である。この現状と今後の展望をどのようにお考えか。

△野田消費者行政推進担当大臣:

地方の消費生活相談窓口の機能強化を図るには、消費生活相談員の養成、レベルアップが不可欠。そして決して地方に押し付けるのではなく、今回の政府の地方支援策において最も重視しているところである。

まず、相談員のスキルアップについては、都道府県に造成する基金を活用していただき、法律等の専門知識の習得、事例検討、模擬相談等の研修を、一般職員も対象とした上で開催していただくこととか、弁護士等の専門家を活用し、専門的な相談に関して相談員への助言を行っていただくメニューを用意している。

また、国民生活センターにおいては、実務講座や専門事例講座などを開催するとともに、小さな自治体などを念頭に置いて、スキルアップ機会に恵まれないところに経験豊富な相談員が巡回訪問してオン・ザ・ジョブ・トレーニングを実施することとしている。

また、養成については、とりわけ大都市圏以外の地域で相談を担える人を拡充することが緊急的な課題と認識している。つまり、相談員がいないところが地方ではたくさんある。

基金では、まず、消費生活センター等の現場での相談実務に携わりつつ、実地研修を行うが、必要な法律や制度に関する知識の習得を図る座学研修という相談員の養成のための授業を設けるとともに、これまで東京だけで行われていた国民生活センターの相談員養成講座を、新たに地方都市で実施することとしている。

また、今お話があった3つある資格については、きちっとした専門性を確保することが大変重要だ。その資格について、現在それぞれ3つの団体が(資格認定を)出しているわけだが、その資格の持つ意義も大変大きくなってくるということを理解している。

現在は、ご指摘のとおり3つの資格があるが、そのあり方は、それぞれ同じ消費生活といっても母体が違うので、それぞれの資格の性格やニーズ、資格者の勤務実態を踏まえつつ、地方や関係団体の意見を聞いてしっかり検討していく必要がある。

Q10 国民生活センター相談業務の重要性について

▼大河原雅子:

資格は本当にばらばらだが、勉強する中身はほとんど同じだ。国民生活センター認定の消費生活専門相談員の資格を取られる方も多く、中身をきちんと統一化する、チェックをするということも必要ではないか。

地方消費生活センター相談員の待遇改善策については、今いろいろご答弁いただいたが、国民生活センターの相談員についても同じだと思っている。

国民生活センターが、行政改革、特に法人改革の中で縮小され、相談業務がなくなってしまうと非常に心配したが、今回のことでかえって重要性が高まったと思うが、その点について、ご答弁いただけるか。

△野田消費者行政推進担当大臣:

おっしゃるとおりで、国民生活センターにおいても相談員の待遇を改善するよう内閣府から働きかけを行ってきた。結果、この4月から国民生活センターの相談員の給与日額が3割程度引き上げられるなど可能な限り待遇改善を努めている。これは相談員の経験等に応じ、これまで日額1万1千5百円から1万5千5百円であったものを1万5千円から1万9千円に引き上げた。それとともに、通勤手当についても、上限があったが、これを廃止して全額実費支給に切り替えたところだ。

国民センターのこれからの位置付け、ちょっと前まではどうなってしまうかという状況だったが、先ほど大河原委員がご指摘のように、福田総理が消費者行政をしっかりやっていくという中で新たな姿が出てくると期待している。

まずは、消費者庁ができるだけではなく、消費者に最も身近な最前線の窓口と言われている地方の消費生活センター等を、誰もがアクセスしやすい一元的な消費者相談窓口として位置付け、全国ネットワークを構築していくことが消費者行政で一番大切なこと。

国民生活センターは、これまで消費者行政における国の中核的機関として消費者相談、相談員等を対象とした研修、そして商品テストを実施してきている。

今後は、今申し上げた地方消費者行政の支援を一層強化していくために、これまでの取組を拡充するとともに、国における緊急時の迅速な対応に資するよう、消費者等からの情報を集約するためのシステムの整備を加速することにした。具体的には、地方消費者行政の支援として、消費生活相談専門家の巡回訪問、消費生活相談員養成講座、商品テストの充実強化、そしてPIO―NET端末の追加配備、こういうこととともに、消費者庁が司令塔としての機能を十分果たせるよう、情報集約機能を整備すべくPIO―NETの大刷新、事故情報データバンクの創設などを行うこととしている。

Q11 消費生活に関する教育活動の追加条項について

▼大河原雅子:

衆議院での議論の中だったと思うが参考人の方が、今の地方の消費者行政はぼろぼろで、シロアリが土台を食っているのに、その上に重装備の施設を乗っけてもそれは成り立たないとおっしゃっていた。

地方自治体における消費者行政の土台になる方々への支援は早急に、そして安定的にしなければいけない。地方財政法第10条を改正し、そこに入れるだけでも即できることだと思うが、その点はお考えが違うようなので、これはその後の基金、3年後の話にも出てくるかと思う。

それでは、消費者教育について、安全法の第4条6項に消費生活に関する教育活動を追加された。この条項を追加した理由は何か。

△小宮山洋子衆議院議員:

いろいろな仕組みをつくり、情報提供しても、あふれるほどの情報を手にして自分で判断できる消費者が育っていなければどうにもならない。消費者が自立してきちんと判断できるよう支援していく上で消費者教育は大変重要である。元々の政府案には入っておらず、私どもの修正案には入れていた。

修正協議の中で、その重要性については共通認識とはなったが、消費者庁の所掌事務と規定するかどうかの意見が一致しなかった。そのとき与党の方がおっしゃったのは、今消費者基本法の中でちゃんと消費者教育のことがうたわれていて、それに基づいて基本計画もできているからということだった。

実態は、内閣府と文部科学省が共に会議体をつくり、社会人への教育は内閣府が、学校教育は文部科学省がやっている。私も以前から取材をしていたけれども、本当に関心のある先生が細々とやっているというのが現状で、今回これだけ消費者について大きな法改正をするからには、しっかり消費者教育をもう一度盛り込んで力を入れるべきだということで、安全法の第4条6項に規定した。

Q12 適格消費者団体の拡充支援策について

▼大河原雅子:

消費者が消費者教育を受ける権利は、消費者の権利の中の一つで、小さいときから、学校やあらゆる場面でしなければいけない。被害の予防に一番効果があることなので、今活動している消費者団体の方々と一緒にしっかりと進めたい。

適格消費者団体の拡充支援策をどのように求めるのか。現状をどうとらえ、どのようにしていきたいとお考えか。

△小宮山洋子衆議院議員:

これも適格消費者団体第1号の参考人の方も述べていらしたが、適格消費者団体をもっと全国に増やさなければいけない。2006年に消費者契約法を改正し団体訴権を作ったけれども、現状では、1番北が埼玉、1番南は広島という7つの適格消費者団体しかない。

また同時に、適格消費者団体の方が多くの消費者に代わって、今行っている差止め請求の訴訟についても、財源がないので、とにかく資金が足りないと盛んに言われた。そういうことで必要な資金の確保、その他の適格消費者団体に対する支援の在り方、そして必要な措置を講ずるということを政府に求めているところである。

具体的には、訴訟費用を貸し付ける、弁護士報酬の助成、通信費などの助成、また補助金の交付や貸付け、債務保証などいろいろあるので、附帯決議の22に、消費者被害の情報収集、啓発を行う消費者団体に対し、関係する情報を提供するとともに、活動のための施設や資金の確保等の環境整備を図ることとした。

▼大河原雅子:

今日お配りした白書の資料では、日本の場合、適格消費者団体は現在6団体で、3月5日に7番目の団体が認定されている。

海外の場合は、イギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン、デンマークも政府の補助・委託が入っている。それに比べて我が国では、被害者を代表して訴訟するこの6団体がいかに脆弱な財政基盤しか持っていないか。この適格団体の扱いの差についての大臣の感想は。

△野田消費者行政推進担当大臣:

表を拝見すると、諸外国の設立年と我が方の設立年の開きというか、ある意味諸外国は既にかなり成熟した適格消費者団体であり、我が方は大多数が2000年生まれでこれからなのだと思う。

本当は数10年前に既に確立されていなければならなかった消費者行政の政策そのものがこれだけ遅れてしまった証左だと思うが、みなさんのお力を借りて全会一致で修正協議がされ、いよいよ消費者庁ができるということになるので、この分の遅れを取り戻しキャッチアップして、適格消費者団体の皆さん方も諸外国と同じように肩を並べしっかり活動できる基盤づくりのために、全力を尽くしてまいりたいと思う。

▼大河原雅子:

「消費者」という言葉がこの国民生活白書のテーマとなったのも51回目にして初めて。そして、「国民の生活」「消費者」ということを国会の中でこのように広く議論させていただくのもこれまでになかったことと伺っている。

今世界はどうなっているかと言えば、この消費者問題に関してはもう第四期だ。私が学生だった70年代には消費者運動が強まり、80年代にはそれがグリーンコンシューマーの運動になった。そして今は消費者は新しい消費者像を持たないと立ち行かない。市民の中で、公益のために活動する人たちが増えてきた。消費者団体はそれらの活動の先頭に立つ人たちだ。内閣府は立派な調査をお持ちだから是非、中身をきちんと御検討いただくように改めてお願いをする。