第171国会 2009(H.21)年3月11日「予算委員会」

Q1 介護認定基準変更について

▼大河原:

介護認定の基準が変更されるとのことだが、どんな内容か?

△舛添厚生労働大臣:

4月から新しい要介護認定制度が開始される。見直しのポイントは、介護技術の進歩に伴うもの、自治体の認定のばらつきによる不公平感を直していくことである。

▼大河原:

マニュアルを見たが、基準が変わるのは大変重大な問題だ。今回の変更は被保険者に改定経過が公開されず、今年になって初めて判明した。利用者の能力を基準とせず、介護の手間を基準している。例えば、寝たきりでベッドから動けなくても、いすに移動する機会がなければ「介助が必要ない」ということで「自立」にされてしまう。同様に歯磨きや洗顔、整髪が本来必要であってもその習慣がなければ、介助が要らないということで「自立」にされてしまう。こんな判定をどう説明できるのか。

△舛添厚生労働大臣:

新しい認定によって必要な介助が受けられないということがあってはならない。指摘されたようなことは現場においてきちんとチェックしていきたい。

▼大河原:

利用者にとって、心身の状態が良くなったり、介護の負担が軽くなった訳でないのに、認定ランクが軽くなってしまうのは重大な問題だ。認定基準変更の目的は何か。

△舛添厚生労働大臣:

色々なデータを積み重ね、現状に少しでも合わせた形でより適切なケアを提供するのが目的であり、ケアの量を減らすことが目的ではない。

▼大河原:

介護保険制度への信頼を回復するためにも、もう一度厚生労働委員会で検証し、被保険者の納得を得ることを求めたい。新システムの実施は保留すべきではないか。

△舛添厚生労働:

今回の見直しについては、更なる周知徹底をいたしたい。

検証を研究事業で行ったが、第1ステップでは二次判定が69%で一致した。より軽くなった人が11%、より重くなった人が21%であった。その後のコンピュータ判定、審査会判定を経て二次判定で判定結果が一致したのは63%で、約20%がより軽く、17%がより重くなった。こういう検証と厚生労働委員会での検証を共に行っていきたい。

▼大河原:

答弁された内容の研究対象者はわずか86人だ。それぞれの事情は全く違う。こういうことで利用者とケアマネージャーやヘルパーとの信頼関係は損なわれてしまう。4月1日から始める以外にないのか。厚生労働委員会でしっかり検証すべきだ。

△舛添厚生労働大臣:

もう3月であるし、現場の市町村においても既にこの予定でプログラムを組んでいるので、実施開始を遅らせるとかえって混乱をする。きちんと現場を見て利用者に懇切丁寧に更なる説明をし、今後のことはきちんと検証し、今後の方向付けをしたい。

●大河原:

混乱は必至だと思う。新しい基準を習得するより、これまでの基準でやればいいので、国会できちんと検証するまで3ヵ月ぐらい凍結すべき。

Q2.厚生労働省の水道事業への補助金

▼大河原:

今年度の厚生労働省の事業に水道関係の補助金が、安全で良質な水の供給ということで717億円、水道施設の整備ということで674億円ついている。これらはどんな事業か。

△舛添厚生労働大臣:

ダムなどの水道水源開発施設事業について評価を加えた上で補助を与えたり、水道施設整備に関わって、様々な効率的な作業を行うために水道事業者に補助を与えることが決まっている。

▼大河原:

ダムに参加する利水者(水道事業者)に対する補助金は、現在どのぐらいの利水者に分けられているのか。

△舛添厚生労働大臣:

金額は約200億円というのはわかるが、事業者数がすぐ出ないので、わかり次第伝える。

▼大河原:

補助金支出の際に、補助金支出継続の再評価をしているのか。

△舛添厚生労働大臣:

学識経験者など第三者から意見聴取を経て再評価を実施している。社会経済情勢が変化したときにダム自身が必要なのかどうか判断しなければならないので、有識者の検討会を設け、必要な意見は今後とも申し上げ続けたい。

Q3.公共事業需要予測に関する調査結果の勧告

▼大河原:

昨年8月に、総務省から公共事業需要予測に関する調査結果に基づく勧告が出されたが、これは何を目指しているものか。

△鳩山総務大臣:

公共事業の重点的かつ効率的な実施の徹底、透明化を図る観点から需要予測の実施状況について、公共事業22種類のうち15種類を取り上げ、5か所ずつ計75か所の調査を行い、総務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省に勧告した。

内容は、公共事業の需要予測の実施に当たっては人口減少や超高齢化等の社会経済情勢の変化を十分考慮すること、需要予測見直し時機を失せず実施すること、需要予測値と実績の値が乖離している場合に原因分析を行い、その原因分析は似た条件下の公共事業に活用させること、需要予測の情報公開と保存。

公共事業の実施要領や技術指針等の見直しも勧告している。各省庁から勧告後6か月である2月に回答も得ている。二回目の回答については来年2月ということで求めている。

▼大河原:

国土交通大臣はこの調査と勧告をどう受け止めているのか。

△金子国土交通大臣:

真摯に受け止めきちんと対応しており、今後もそうしていきたい。

Q4 外環道路について

▼大河原:

2月20日の東京新聞朝刊で、外環道路世田谷―練馬間着工に向けた法定手続に入ったという報道があったが、現状はどうなっているのか。

△金子国土交通大臣:

石原東京都知事から早期整備の要望を受けているが、整備計画の格上げ等については未定である。

▼大河原:

整備計画に盛り込む項目は何か。

△金井(政府参考人):

地元の手続である都市計画決定や環境影響評価等を踏まえ、確定する事業費や詳細な連結等。

▼大河原:

外環の練馬―世田谷間の事業費はいくらか。

△金井(政府参考人):

まだ精査していない。

従来、基本計画その他を策定する際には約1兆6千億と説明していたが、今後精査してコストダウンに取り組む必要があると認識している。

▼大河原:

PI 手法を取って構想段階から住民参加が行われてきたが、PI手法についてと、これを

どれくらいのコストで行ってきたのか説明して欲しい。

△金井(政府参考人):

PIはパブリックインボルブメントと言って、通常、都市計画や環境アセスメント等の法定手続以外に、地元の方々と意見交換を行いながら計画立案や事業実施の内容に反映させるため、事業を円滑に実施するために地元の方々と話合いをさせていただいているもの。

外環のPIの経費は約19億円。

▼大河原:

外環のPIでは構想段階で「造らない」という選択がなかった。世田谷から練馬の間の現地は成熟した大変すばらしい住宅地だが、そうした意味でもこの計画の重大さがお分かりいただけるのではないか。

PIに参加した方々や住民からは疑問・批判がいっぱいあるが、国土交通省はPIをどう評価しているのか。

△金子国土交通大臣:

大深度になってインターチェンジを変えるといったことは地元住民の意見がそれなりに幅広く反映され、PIが一定の成果を得てきたものではないかと認識している。

▼大河原:

私はこれがまともなPIと認められない。これまでのPIで最新のデータは使われなかった。今は国幹会議にかける状態にない。国土交通省として新たなデータでやり直す必要があると思うが。

△金子国土交通大臣:

国幹会議を開く場合は事前に整備計画を策定するため、新しいデータに基づいた事業計画・事業評価を行うことになる。

▼大河原:

国幹会議の予定は未定で、東京都が出した要望にはこたえられないというのが回答でよろしいか。

△金子国土交通大臣:

東京都からの要望は承ったが、予定は未定だ。

▼大河原:

道路計画の新たな中期計画について説明して欲しい。

△金井政府参考人:

特にアウトカム指標、五年間で何をどう達成するのかを中心に地方の意見や、インターネットで意見を集めまとめたところだ。

▼大河原:

最近始まった社会資本整備審議会の中の高規格幹線道路の事業実施に向けた手続きの見直しの背景と扱いについて説明して欲しい。

△金井政府参考人:

高速自動車国道については国幹会議があるが、B路線やネットワーク型地域高規格道路の手続が分かりにくいという指摘が従来からあったため、社会資本整備審議会の部会で、今回から議論するよう定めたところだ。

▼大河原:

社会資本整備審議会で道路に関する重点計画はどのようなものになるのか。

△金井政府参考人:

アウトカム指標等を中心に5年間でどういう施策をどのように発展させるのかを中心にまとめている。

▼大河原:

この重点計画と外環道路計画の関係はどうなるのか。

△金井政府参考人:

今までの道路計画と違い、積み上げは行っていない。アウトカム指標のような施策を中心に議論しているため、新規事業の位置づけについては重点計画に書かない。

▼大河原:

アウトカム指標は何でどのように用いるのか。

△金井政府参考人:

例えば電線地中化やETCといった施策ごとの目標を決め、そのためにどのような施策を行うべきか、簡単にまとめている。

▼大河原:

外環道ではBバイC(費用便益)はどのように計算されているか。

△金井政府参考人:

事業実施する場合は、最新の交通需要予測や評価手法に基づき改めて算出することになると思う。

▼大河原:

外環道ではそれはいつ出るのか。

△金井政府参考人:

整備計画の時期等は未定だ。国幹会議を開くため整備計画を出すのであればその前までに算出する。

▼大河原:

外環道では今何が未定か。

△金井政府参考人:

基本計画は策定されているが、予算は全く未定だ。今後整備計画、国幹会議をどうするのかこれから議論をする。

▼大河原:

外環計画が茫洋として具体的に見えない。誰が、いくらかけて、どういう方法で造るのか明確でない限りこの議論はできないし、PIの中でも不十分であった。今後情報公開をきちんとしていくのか。

△金井政府参考人:

例えば地下水や大気について色々指摘されているので真摯に取り組みたい。必要とされる情報提供について最大限努力していきたい。

大河原:

外環道の議論は国会では行われていないと思うので是非当該委員会で取り上げていただきたい。

Q5 ダム問題について

▼大河原:

自治体首長がダム計画から撤退するという発言がある等、八ッ場ダムも含め去年からダムが随分問題になってきている。タスクフォースの設置とは何か。

△金子国土交通大臣:

川辺川ダムや大戸川ダム事業の中断を地元知事が求めるということが続いている。河川法上、手続上、資金繰上げ等、問題点について有識者の意見を承っていこうということでタスクフォースをつくった。

▼大河原:

4回しか開かれない会議と聞いたが、目的は何か。

△金子国土交通大臣:

主に事業手続において見直すべきところは見直したいということ。回数は4回と限定していない。

▼大河原:

ハッ場ダムのBバイCの評価が、19年、20年、最近の2月24日と行われ、変わっている。変化を説明して欲しい。どのような理由で変化したのか。

△甲村政府参考人:

ハッ場ダムのBは洪水調節に関わる便益、流水の正常な機能維持のための便益ということで算出している。

八ツ場ダムの評価は平成10年、15年と概ね5年ごとに実施してきており、今回はダム本体工事に関わるということで再評価をやった。

BバイCの変化は平成10年12月は11.7、平成15年12月では3.7、平成20年3月では2.9、今回平成21年では3.4となっている。

●大河原:

去年の2.9というBバイCもおかしいとわかったのに、その後は3.4に上がっている。ダム自体縮小されているのに何でこんな数字が出てくるのか分らない。

Q6 公共事業の見直しについて

▼大河原:

総務大臣と財務大臣に、公共事業の見直しについて、感想を伺いたい。

△与謝野財務大臣:

国民生活の利便性を向上するものや、国全体として社会の生産性を向上させるため等の必要な公共事業はやらなければならない。しかし、お金が入ってくるから道路を造るという思想は捨てなければならない。何が必要か合意されることが大事。

△鳩山総務大臣:

BバイCの話は昨年からさんざん聞いているが、どのような計算の仕方が正しいのかは専門家でないので分らない。せめて、頻繁に需要予測を行うこと、どのような数値を用いて需要予測をしたのか透明性を持たせることはとても大事だと思った。