第171国会 2009(H.21)年5月25日「予算委員会」

Q1 国幹会議の位置づけについて

▼大河原雅子:

3月11日の予算委員会で取り上げた国幹会議について伺いたい。

東京は外環道問題を抱えており、国幹会議がいつ開かれるのか、連日国交省に問い合わせをしていたが、4月23日に突然、27日の国幹会議開催が発表された。そもそも、国幹会議とは何のためのどんな会議なのか。

△金子国土交通大臣:

国幹会議の位置付けは、国土交通大臣が高速自動車国道整備計画を決定するにあたり、国幹会議の議を経るということで義務付けられているものである。

▼大河原雅子:

国幹会議の議を経てというのが非常に悩ましい感じがする。審議会とはどう違うのか。

△金子国土交通大臣:

国土交通省の設置法で国幹会議が定められている。第6条に国土審議会、社会資本整備会等いろいろな審議会があるが、そのほかに国土幹線道路法が定められており、その11条で国幹会議を別途、大臣が整備計画を決定する前にこの会議の議を経ると定められている。

▼大河原雅子:

私には、その「議を経る」というのがよくわからない。

国交大臣が立案をする基本計画や整備計画を審議するが、国交大臣はこの会議の議論をどう使うのか。

△金子国土交通大臣:

国幹会議で了解したものについて、今度は国交大臣が整備計画を決定することができる。したがって、国幹会議で了解されないと国土交通大臣が整備計画を決定できないことになる。

▼大河原雅子:

つまり、国幹会議で議論百出すれば、議論の中身を尊重していただけるというのが大臣の今のお考えか。

△金子国土交通大臣:

国幹会議の構成は、国会議員10人、民間の有識者10人、計20人のメンバーである。そのうち会議の議長を1人選任しており、その議長が議事運営をするという構成になっている。したがって、先般行われた国幹会議でもいろいろな意見が出た。出た上で、国幹会議の議長が皆様にお諮りをして賛同をいただいたのが今回の結果だ。

Q2 国幹会議に国会議員が含まれる意味について

▼大河原雅子:

委員に議員が入っている意味は何か。

△金井国土交通省道路局長:

国幹会議のメンバーは、審議会令において、国会議員10名、学識経験者10名と決められている。その意味は、国会の意見も反映して整備計画、基本計画を定めていくと考えている。

▼大河原雅子:

衆参両院には国土交通委員会があり、議員はそこできちんと意見を言うことができると思うが、いかがか。学識経験者の枠はどのようになっているか。

△金子国土交通大臣:

国幹会議は、個別の箇所について決定をするということを決めさせていただくということなので、国道整備あるいは高速国道のあり方、これは国会でそういう御議論の場はいただいていると思う。

それから、国会議員の国幹会議の委員メンバーは、与野党共々に、また今度については民主党の委員の皆様にもご出席いただき、そして今度の会議の課題について了解というときの議長の運営に、ご了解を野党の委員の方からもいただいている。

▼大河原雅子:

議員が入っている意味をお尋ねしたので、もう一度お答えを。

△金井国土交通省道路局長:

国会議員の意見も踏まえて重要な高速道路計画について決めていただくということであると思っている。具体的には国土開発幹線自動車道の建設法第13条に規定しているが、立法府、与野党の理解の下、円滑で効果的に政府としての意思決定を行うという趣旨で設置されていると考えている。

Q3 国幹会議の結論のまとめ方について

▼大河原雅子:

さまざまな意見を聞くということでは、先ほど大臣が、この会議で議論百出すればなかなかこれを決められないという意味でおっしゃったと思うが、この会議で議論が百出して決まらないという場合もあるのか。

△金子国土交通大臣:

さまざまな議論が出ても、委員から構成されるメンバーの1人が会議の議長をしているので、この会議の議長が委員の意見を最終的に取りまとめていただくというのが趣旨である。さまざまなご意見が出たのも事実だが、みなさんから賛同いただいたのも事実であり、紛糾してまとまらなかったということでは全くない。

Q4 性急に国幹会議が行われた理由について

▼大河原雅子:

今回の会議のもち方は、唐突な印象を受けた。このように性急に開催されたのはなぜか。

△金子国土交通大臣:

確かに性急だというご意見も委員各位から出た。今回は、道路一般財源の議論をちょうどしており、4月10日に経済危機対策が内閣から公表され、この経済危機対策の中に今回対象となる道路の事業も含まれていた。4月10日にこの危機対策が出たので、何とか経済対策を国会に提出する前に国幹会議を開けないかということで、国幹会議の議長と相談をして決定した。

確かに委員に対しては非常に直前の開催案内となり、全国から来ていただくのでそういう意味では委員には御迷惑をお掛けしたと思う。今後は余裕を持ったスケジュールで開催案内ができるようにしていきたい、私もそのことはこの国幹会議にあたって申し上げた。

▼大河原雅子:

第3回の国幹会議からかなり日にちがあいている。この国幹会議に向けられた改善点の要求などは十分に検討されたかと思うが、いかがか。

△金井国土交通省道路局長:

前回の国幹会議以降、私どもとしては、交通量の全国的な見直し、事業評価手法の全国的な見直しを行っている。例えば今回対象になっている東京外環その他についても精査をさせた上で、ぎりぎりのタイミングで国幹会議を開かせていただいた。

▼大河原雅子:

このぎりぎりのタイミングというのは、27日にこの補正予算を衆議院に上げ、その日に予算化するために国幹会議でどうしても了承を得なければならないという事情か。

△金井国土交通省道路局長:

交通量であるとか事業評価、年度いっぱい作業が掛かったので、実際にそのような数値を計算するのがどうしても4月になってしまった。それから、4月10日の経済危機対策が決まったので、これの執行にできるだけ間に合わす、できるだけ早く国幹会議の議を経て整備計画を定めなければいけない。そのような事情を勘案して、27日に大変急ではあったが開催させていただいた。

▼大河原雅子:

この日の国幹会議の議題は、誰が、いつの時点で、どのように決めたのか。

△金井国土交通省道路局長:

4月10日の経済危機対策を踏まえ、できるだけ速やかに国幹会議を開催できるよういろいろ調整をお願いしてきた。

その結果、会長と相談して27日に開催しようということが決まりましたのが23日で、それ以降、最終的に資料の準備をし、委員にできるだけの説明をして準備を整えたつもりだ。

▼大河原雅子:

23日木曜日の発表で、27日月曜日の開催だったが、中に土日が入っていることからも、本当にこのような唐突な開催については疑問を持っているということを委員は口々におっしゃっていた。私は傍聴をさせていただいた。この日の議事録は出ているか。

△金井国土交通省道路局長:

分量の関係で今最終チェック中だ。間もなく公表できる。

Q5 国幹会議のコスト等について

▼大河原雅子:

この国幹会議の運営の中で議事録は速やかに出すということがあり、ほぼ1か月経つ。議事要旨が出ているが、この会議で何がどう議論されたのか、どんな意見が出たのかを知るには、報道に頼るか私のように傍聴するしかない。

大変立派な形の会議だったが、会議の開催、傍聴者の数、当日、国土交通省スタッフがどれだけ詰めていたか、会議の概要と費用についても報告して欲しい。

△金井国土交通省道路局長:

私どもが現在把握している人数なので若干実際のものと異なるかも知れないが、傍聴に来られた人数が278名、本会議とモニター会場に分かれて傍聴をお願いした。

私どもが出席をした会議関係者、これは事務局として約100名程度、これは私どもの会議関係者として出席した。

経費については、大変多くの方が出席するということで、資料印刷費に大体1,400部印刷をしたもので322万円、広い部屋を借りなければならないので会場借り上げ費に288万円、速記録に4万円程度掛かっており、総計600万円強掛かっている。

Q6 国幹会議委員への議案説明の在り方について

▼大河原雅子:

27日に行われた国幹会議は準備が非常にずさんだったと思う。性急な開催に起因するものだが、金曜日に我が民主党の部門会議でもヒアリングを行ったが、例えば便益計算、これは計算中だという何ともばかげた回答だった。委員にはどのように当日の議案を説明されたのか。

△金井国土交通省道路局長:

ご指摘いただいたとおり、非常に急な日程で開催したことにより、BバイCであるとか最終的な報告、いわゆる説明資料ができ上がったのは当日であった。委員には、事前にできるだけ、例えば整備計画の箇所等について説明し、追加的に資料が整い次第、例えばBバイC等についてもできるだけの範囲で説明をした。

▼大河原雅子:

今のBバイCをいつ算出したのかというのは、資料作成の直前まで精査を行ってその時点の数字を記載したとのことだが、当日説明されてその理解を得るのは難しいと思う。当日まで資料を説明に回らなければならない、そんな開催の仕方が妥当か。

△金井国土交通省道路局長:

BバイCその他の数値について、いわゆる交通量、それから費用便益の見直し、こういったこともあった。

それから、外環については、特に事業費の見直しということで、従来から1.6兆円という事業費が大き過ぎ、いろいろ検討すべきだということで、これをあらゆる角度から見直しをしており、そのために若干お時間をいただき、当日の朝までなかなか最終的数字が出なかったということは大変反省点である。今後、会議を開催する場合、そのようなことがないよう努力したい。

▼大河原雅子:

あり得ない答弁だと思う。大臣にも、あるいは国幹会議の議長をなさる会長にも報告していないということか。

△金井国土交通省道路局長:

途中段階でできたものについては逐次説明をさせていただき、最終的な報告書の形にしてすべてを整えるのに当日まで時間が掛かった。その辺は大きな反省点である。

Q7 これまで示された数値と異なる理由について

▼大河原雅子:

BバイCや事業費が、外環の場合、これまで説明されていたものと大きく違っている。なぜ違っているのか。

△金井国土交通省道路局長:

東京外環のBバイCについてだが、一つは事業費について大きく見直した。これは、首都高品川線のときの実績でいわゆるシールドのセグメントの単価その他がかなり落札状況から見て下がっているという判断だったので、そういったことを総合的に判断し事業費を大幅に削減した。

それから、交通量と費用便益については、昨年からの見直しの中で新しい交通量、新しい費用便益の仕方を算出した結果、例えば中期計画で費用便益比3.44としたけれども、新しい数値として2.9というBバイCの値を提示したという経緯だ。

▼大河原雅子:

シールドセグメントの話が出たが、シールドについては、今は品川線を基本とのことだが、外環で想定されているのは世界で初めてというぐらい大きな径のシールドを使うはずだ。それはそんなに安く、3,000億もダウンできるようなものになるのか。

△金井国土交通省道路局長:

ご指摘のとおり、シールド自体は16メーターということで、我が国で一番大きなシールドになる。れについてはいろいろな方の意見も伺い、施工方法を検討した。

その中で、やはりシールドのセグメント自体は、国際的な動向を見ても、それから首都高の品川線のときの落札状況を見ても、かなり単価が安く入るのではないかという検討結果が得られた。それを基に、まだ概数だが、大幅な削減を図らせていただいた。

▼大河原雅子:

BバイCは当初3.3と説明をされていたが、それが2.9になった。いま一度、どうして便益が下がったのか説明を。

△金井国土交通省道路局長:

3.3という費用便益については、平成17年の技術専門委員会で提示をされたものと考えているが、このときはまだ都市計画決定の前で、事業費にいわゆる途中のインターが入っていない。したがって、事業費にかなり差がある。それから交通量の推計が、最新のものは平成17年のセンサスベースだが、平成11年のセンサスベースではじいていた。

それからさらに、料金設定に差があり、平成17年のものは、外環は500円均一ということではじいたが、外環がかなりの部分できてくると、均一料金はなかなか適用しにくいところがあり、今回は部分的に対距離料金も採用するようなことで総合的にはじき、BバイCが若干減少したと、このような状況である。

▼大河原雅子:

都議会の予算委員会では、BバイCは3.44と東京都の職員が答えている。この3.44はいつの計算か。

△金井国土交通省道路局長:

私どもが2年前に作った中期計画の素案がある。これの中については、インターについては都市計画の案で入っているが、事業費が1兆6千億、交通量については平成11年のセンサスベースということで、最新のものの平成17年のセンサスベースと若干違っている。そのようなことで3.44、若干2.9より高めに出ているのではないかと、考えている。

Q8 高速自動車国道整備方針の転換について

▼大河原雅子:

料金設定など余りオープンにはならない部分であるし、どのようにこの道路が造られるかということについては詳しい議論はしていないはずだ。

今回の国幹会議では、整備計画9,342キロで凍結されていたはずの高速自動車国道の整備が突如この議案で追加されているが、高速自動車国道の整備方針が転換されたと理解してよろしいか。

△金井国土交通省道路局長:

高速自動車国道については、民営化時点の閣議決定その他により、9,342キロの延長ということを当時定めた。

その外については当時の議論としては白紙ということだが、これは採算性であるとか地元の必要性、それから、国費を投入するのかどうか、そんなことも議論して今後定めるとされており、今回は、9,342の外については、既に有料道路としてプール制で採算を取るのは無理なので、いわゆる合併施行によって採算を確保し、必要な道路について国費を投入して建設すると、このようなやり方を決めさせていただいた。

Q9 合併方式について

▼大河原雅子:

9,342は凍結したまま、新しいものについては緊急経済対策の名の下に、すっと通してしまった。1メートル1億円ではないが、1兆2千億ということは、赤ちゃんからお年寄りまで国民1人1万円ということだ。合併施行の方式について説明を。

△金井国土交通省道路局長:

9,342キロの整備計画区間については、民営化のときに議論をして、有料道路方式で整備するもの、ただ、すべて有料道路方式で建設をすると採算が取れないところがあるので、800キロ強の無料区間、新直轄でやる区間を設定をして、全体として採算を取る構造ということで民営化のときにセットされた。

今回、改めて新しい交通量で全体の採算性をチェックさせていただき、金利が予想より低いというのはメリットだが、交通量が当初の予測より伸びておらず、その辺を加味して計算すると、9,342キロで採算はほぼとんとん、当初想定した45 年の償還がほぼぎりぎり確保できる状況と判断している。

したがって、今後、9,342の外で建設するときには、合併施行といって、直轄事業と有料道路事業、有料道路事業で採算が取れるところだけは有料道路事業でカバーし、その残りの足らず前のところは直轄事業でカバーすると、そのような合併施行のやり方が必要なのではないかと、このように判断をし、国幹会議でもそのような説明を行った。

Q10 欠席委員の意見について

▼大河原雅子:

27日の国幹会議は20人の委員のうち16人が出席だった。2人の委員の方は欠席だったが文書で意見を出している。

経済同友会の桜井委員がお出しになった今後の高速道路の在り方についてのご意見はどんなものだったのか。

△金井国土交通省道路局長:

今後の高速道路の在り方については、いわゆる会社の自主的判断で実施するという趣旨を損なわないように留意をしていただきたいということと、考えている。

新たに整備計画を策定する区間については、効果が高いところを優先することが望ましいのではないかと。暫定二車線の四車線化についても、将来交通量が1万台を超える、大幅に超えるかどうか、これによって判断をすべきではないかと。これからの進め方については、やはり開催間隔が空き過ぎていることがあるので、今後の運営の改善を求めたいと。

概略、このような意見であったかと考えている。

▼大河原雅子:

国幹会議で決定をした後に高速道路会社と料金収入で償還可能な額というものを協議するのではなく、あらかじめ国の負担額を明示し判断をするのがいいと思う。その負担額を負担できないと判断する場合には、事業計画そのものを見直せと、きちんと意見書にお書きになった委員もいる。私は本当に見識だなと思っている。

議論の中にはBバイCに関する議論もあった。BバイCについての疑念、また、これが唯一ではないということをおっしゃった委員もいるのでご紹介を。

△金井国土交通省道路局長:

例えば森地先生の意見では、現在のその数値化された費用便益比のみで機械的に道路の必要性を決定することは学問的にも正しいことではないというご指摘をいただき、いろいろな委員の方からも同じような意見をいただいた。総合的に、今よく命の道である等いろいろご指摘をいただくが、そういった広範囲のことをできるだけ総合的に考慮し判断すべきではないかと、そういうご指摘を多数の委員からいただいた。

Q11 文書意見の議事録掲載について

▼大河原雅子:

この文書で出された意見というのは議事録に載録されるのか。

△金井国土交通省道路局長:

会長あてにいただいた意見ということで、ルール上、何か決まったものはないが、有用なご意見なので、会長と相談をさせていただき、その取扱いを決めたい。

Q12 事業化の判断について

▼大河原雅子:

民主党は、国幹会議の廃止をマニフェスト、政策に掲げている。当日出席した我が党の委員もそれぞれにこの会議の形骸化を嘆き、真っ当な議論がしたいということだった。そして、この日の冒頭、与党の議員も3回目の国幹会議からずっと言っているが実現していないと。私は、このわずか2時間の議事録がいまだに出ていないことは、この国幹会議の中身が全部明らかになるとお立場がなくなるからかなと思ってしまう。

例えば、高速道路のあるべき姿という議論ではあまりにクレームが多く、私はその日のうちには結論を出さないと思っていたが、会長が採決を諮り、異議なし採決だった。とても信じられない。そして、その後、あろうことか会長は、今日はいろんな意見が出た、形骸化という言葉も出たが、私も全くそのとおりだとおっしゃった。

議事録が出たら確認いただきたいが、この国幹会議、こんなことで事業化はできないと私は思う。事業化の判断はどのようにされるのか。

△金子国土交通大臣:

様々な委員から意見が出たことは、マスコミはもとよりフルオープンで、今度の国幹会議は傍聴者も大勢来ていただいた。議事録が外に出て困るということは全くない。

私も、あの国幹会議が非常に唐突だったということと、多くの委員から出されたのは、今回課題となった箇所以外のところはどうするのだ、地方部にどう配慮するのか、あるいは凍結されている新名神、これについて凍結を解除すべきではないかと、こういう様々なご議論をいただいた。そういうご意見を受けて、私は、この国幹会議、将来の高速道路の在り方ということで、一度、この会議ではなく懇談会というような形でも、より幅広く意見交換をしていく場としてつくらせていただきたいということは申し上げた。

この議事の運営は、これはもう私ではなくて民間であります議長が進行を図っていただくということなので、そこはお任せをし、それから野党の委員の方もご出席をいただいたところで了解をされた。私としては、更に御質問はありますかという議長の答弁に対してもご質疑はなかったということを伺っている。