▼大河原:

 森大臣と私は2007年当選組で、消費者庁ができるときには、私は野党の立場から、森議員は与党の立場から、消費者行政をしっかりと前に進めたいという思いで議論に参加し、議論を積み上げてきました。その森さんが大臣になられ、しかも消費者問題がご専門の弁護士ということで、非常に期待をしております。

私にとっては、当選翌年の1月18日、福田総理が施政方針で述べられた消費者庁をつくる理念が非常に印象深くあります。

福田総理はそのとき、「国民に新たな活力を与え、生活の質を高めるために、これまでの生産、供給者の立場から作られた法律、制度、さらには行政や政治を国民本位のものに改めなければなりません、国民の安全と福利のために置かれた役所や公の機関が、時として国民の害になっている例が続発しています、私は、このような姿を本来の形に戻すことに全力を傾注したいと思います、今年を生活者や消費者が主役となる世界へ向けたスタートの年と位置付け」と言われました。“消費者が主役”ということが、消費者庁の目指すべき姿であり、私はこのことこそが理念だと思っております。

改めて大臣の決意を伺いたいのですが、いかがでしょうか。

△森まさこ大臣:

大河原雅子委員と同期でして、大河原雅子委員が消費者問題を携わるNPOの方から出てこられて、私は消費者弁護士から出てきて、お互いに、自民党が与党のとき、そして民主党が与党のとき、そしてまた自民党・公明党政権になったわけでございますが、その中でずっと消費者問題にかかわってきた、国会の中でかかわってきたということで大変尊敬をしております。

私が所信表明で野田聖子大臣の所信を引用しましたのは、この委員会で大臣から述べられた言葉だということで野田大臣の言葉を引用しました。冒頭、引用して、あとは私が私の意思で文章を書きましたけれども、あの福田総理の方の就任演説、実は私が下書きしました。それを総理が全部使ってくれて、削除することなく使ってくださって、消費者が主役ということもあの本会議場の壇上の上で読み上げてくださったときは本当に私も胸が熱くなった思いです。やはりこれまで産業に偏りがちだった政府の政策を大きく、消費者に目線を向けた大きなパラダイムシフトがあのときに行われたと思っておりますので、あのときの福田康夫総理の就任演説を今、大河原雅子委員が紹介をしてくださって、大変うれしく思っております。

私は、消費者庁ができて3年半たちまして、その間、大臣も10人ぐらい替わりまして、ちょっとがたがたしましたけれども、与野党を通じて一生懸命に消費者の保護に向けて走ってきた、そこの良いところはずっと継承をしていきたいと思っています。そういう意味で、福田総理が一番最初に消費者庁をつくったときのその決意を、そこにもう一度立ち返ってやろうということで、私が大臣になったときの様々なインタビュー等では福田総理のご挨拶も引用をさせていただいております。

私は、先ほどの質問者にもご回答申し上げて、午前中も衆議院でも述べさせていただきましたけれども、過去の我が国の行政は、敗戦してから、そこから立ち上がるための経済成長のためにということで、産業界中心の縦割りの、業種ごとの縦割りの仕組みの中で、事業者優先の発想の下で行われてきたと認識をしております。そのことで経済成長もしましたので、もちろんそれは一定の役割を果たしてきたと思いますが、そこで忘れ去られていた消費者問題、これが、経済社会がどんどんと大きくなって複雑化してグローバル化する中で、消費者問題が深刻化してきてしまったということがあったと思います。

そこで、消費者庁ができましたので、消費者がやはり大きくなった事業者との間で、持っている情報、情報収集能力が非常に小さいということ、それから資金力も非常に小さいから弁護士をなかなか頼めない、そのような状況、それから行政にもきちんとした保護する法律がないという状況、それを行政の方がしっかりと認識をして法律を作ってあげる、それから司法の中で闘うための、今度訴訟法案というのを出しますが、闘うための機能を整えてあげる、そういったことを、消費者庁が司令塔機能を発揮して、各省庁縦割りになったところにぐっと消費者という目線で横串を通していく。

そもそもは、本当はその産業の省庁が、自分の業種の消費者のところまで目配りをしなければならないんですが、そうなっていないところにきっちりと意識付けをするとともに、その省庁と省庁とのすき間のところは直接消費者庁が行っていくということを設立当初の理念に立ち返って徹底してまいる、それが私の大臣としての一番大きな目的でございます。

もう一つは、やはり今まで救済ということは、個別の法律がちょこちょこ、後追いではありますができてきた中で、防止というところが置き去りにされておりましたので、消費者教育ということを徹底して、消費者が自立していただいて自分で自分を守れるようにということで、消費者教育にも力を入れてまいりたいと思っております。

▼大河原:

今のご決意の中で、消費者の利益、消費者を保護、擁護する、そういうこともおっしゃいました。消費者法ができ、消費者庁ができた中に、今おっしゃったような日本の殖産興業の時代から消費者が被害を被ってきた歴史があり、情報もお金もない消費者をしっかり守るために消費者自身の権利を認め、権利を守るということが消費者庁の大きな役割だと思うんですが、(森大臣の所信表明に)権利という言葉が一度も使われませんでした。

福田総理のスピーチライターをされたとのことですが、ご自身の今回の所信表明は自ら筆を執られたのでしょうか。この権利という言葉を使われなかった理由を教えてください。 

△森まさこ大臣:

はい、所信はもちろん私が書きました。

消費者の権利、当然のことでございます。3月15日には、世界消費者権利デーがありましたけれども、このときにも私が自分で書きまして、消費者の権利を実現し、消費者の自立を支援するために消費者行政に全力を尽くすということで、消費者の安全を確保すること、商品やサービスを自主的かつ合理的に選択できる機会を確保すること、必要な情報や教育の機会を提供すること、万が一消費者に被害が生じてしまった場合には適切かつ迅速に救済できるようにすること、その際には消費者の意見が反映されることといった消費者の権利を実現すべく消費者庁がしっかりと機能するように全力を尽くすというメッセージを出しております。

言葉じりをとらえてどうのこうのということではなく、私は、やはり一つ一つの結果をしっかり出して、泣き寝入りする消費者が一人もいないようにしてまいりたいと思っております。

▼大河原:

言葉じりをとらえるということではなく、消費者庁として、どんな権利をどう守っていくのか、それぞれにお答えをいただけるでしょうか。

△森まさこ大臣:

どんな権利をどのように守っていくかというのは、今お答えをしたわけでございますけれども、例えば、今1番から5番まで挙げました。ケネディのときは4つの権利でございましたが、私、5つにいたしましたけれども、消費者の安全を確保することということは消費者の取引法の分野と安全法の分野に分かれますけれども、消費者安全法というのを最初、消費者庁をつくるときに……

▼大河原:

法律の説明はいいです。

△森まさこ大臣:

いや、具体的に何をしていかれるのかというご質問だったのでそのお答えしているのでございますけれども、質問の趣旨に沿っていないようであれば、もう一回ご質問していただければと思います。

▼大河原:

消費者が持っている権利として、知る権利、そしてそれに基づいて選ぶ権利、知らされる権利、教育される権利、いろいろあるわけです。おっしゃったとおりです。それに基づいてできてきた法律はそのことを100%実現をするためにフルに活用されなければならないし、法の整備も穴があってはいけないと思います。

大臣は、まあその点では消費者問題のご担当でしたから、これ以上その点について伺うということはいたしませんが、副大臣、いかがでしょうか。消費者の権利についてどのようなお考えでしょう。

△伊達忠一副大臣:

消費者の権利ということでございますが、消費者の権利の重要性については、私は大臣と認識を同じくしているところでございます。

平成16年に改正された消費者基本法において、基本理念の中で消費者の権利が明記されたことは我が国の消費者行政の発展にとって重要な意義を持つものであったと認識をしております。また、消費者庁の発足により、消費者の権利を実現するための体制が一層整備されたものと考えております。

こうしたことを踏まえつつ、私としては、森大臣とともに消費者の権利の実現に向けてこれからも努力をしてまいりたいと、こう思っております。

▼大河原:

それでは大臣、副大臣、消費者の権利が侵害されていると思われる事例を、お一人ずつ、お答えいただけますでしょうか。これまでのご自分の経験の中からお願いします。

△森まさこ大臣:

消費者の権利を侵害されている事例というと、たくさん、たくさんたくさんございます。

例えば、私がさっき5つ述べたのはケネディのあの権利をかみ砕いたものでございますけれども、消費者が安全であるということで申し上げれば、先般、いわゆる事故調、消費者安全調査委員会ができましたけれど、私が弁護士のときに取り組んでいたときには、消費者事故の原因を調査するような国の仕組みは一つもなかったんです。そして、国交省の中にあるもの、それから警察での事故調、ありますけれども、消費者のまたもう一つの権利でございますが、情報を知らされる権利、情報も一切いただけないのでございます。そのことによって、消費者は、被害を受けたので司法の場で、私は弁護士なので司法の場にいたんですが、そこで裁判をしようと思ってもその武器さえない、情報さえないという状態で泣き寝入りをする事態がずっと続いておりました。

事故でいえば、シンドラーエレベータ事故、パロマガス事故等がございますが、取引の方の訴訟でいえば、私がかかわったのは、ココ山岡、宝石の詐欺の事件でありますとか、それから邵錦被害事件といって、邵錦と名のる中国人の女性が難病の方々から高額な治療費と名のるものを搾取して中国に全部送金をしてしまうのですが、そういったものも情報が一切ないという中で、最終的には邵錦を宣伝したテレビ局を訴えて和解をしてもらったわけですが、そのように訴訟をして被害額が取り戻せる場合というのは極めてまれでございまして、裁判で勝訴判決をもらっても、結局被害金額は返ってこない、取り戻せない、人生さえ取り戻せないという状態がずっと続いてまいったというふうに認識しております。

△伊達忠一副大臣:

今大臣からお話しされたとおりでございまして、これについては、もうかなり広い範囲で私はあると思います。

一例を挙げれば、私自身も体験したゴルフの会員権のあれなんかは私はそうだと、こう思っておりますが、こういうもの、しっかりと、下手に弁護士さんを雇うと弁護士費用に食われてしまうというようなこと、の方が高くなってしまうというようなことから、こういう訴訟法だとかなんかもこれからもしっかりと守っていくような方向にしていきたいと、こう思っています。

▼大河原:

消費者は弱い立場に置かれて来ました。消費者基本法ができて、消費者基本計画ができて、あらゆる分野での消費者被害をなくす、消費者の安心、安全をしっかりと確保していく。その中心(の考え)は、消費者の権利をしっかり守り切る、こういうことだと思うんですね。消費者の権利を守る守護神だということをご自覚いただいて、監督役、司令塔役を果たしていただきたいと思っております。

大臣は、食品と放射能に関する消費者理解増進チームをおつくりになりました。食品と放射能に関するリスクコミュニケーションの強化を強めて、風評被害の防止を図るために設置されたと伺っております。具体的には何をなさるのでしょうか。

△森まさこ大臣:

就任当日に総理からの指示書で、食品と放射能に関するコミュニケーションの強化を進め、風評被害の防止を図ることというふうに具体的に指示されたことに基づいて、食品に関する風評被害の担当を消費者担当大臣と明確化をしていただいたことは大変有意義なことであると思っております。そこで、私が大臣就任直後に庁内にご指摘の食品と放射能に関する消費者理解増進チームを設置いたしました。

チームでは、これまで現場の意見を把握する観点から、3月11日を目標に急いで頑張ったんでございますが、1月に設置して、3月11日に結果を公表いたしました消費者の意識調査を全国で行いました。そして、その3月11日の公表の後は、生産者を含めた事業者、また小売店などに対する調査を進め、実態把握を進めているところでございます。そして、今月をめどにその実態把握の結果等を踏まえて施策を発表したいと思っております。

▼大河原:

2月に緊急にやられた消費者の意識調査も見せていただきました。

何をリスクコミュニケーションしようとしているんですか。何を伝えたいんですか。消費者に何を理解してもらいたいと思っていらっしゃるのか、その点をお聞かせください。

△森まさこ大臣:

食品と放射能の安全性に関することですから、まずは基準値がどこにあるか。福島県を始めとする被災地においてはこの基準値に大変敏感でございますが、実は基準値自体をご存じない遠隔地の消費地もございます。

基準値をまず理解していただく、そして基準値の持つ意味も理解していただく、基準値以下のものは国として安全と認めております。その内容を理解していただくということを目標にミニ集会の開催促進などを図ってまいりたいと思っています。

▼大河原:

基準値以下のものは安心で風評被害を防ぐとおっしゃっていますが、風評被害とはどういう意味で使われておられますか。

△森まさこ大臣:

風評被害とは、安全なもの、消費者に被害を与えないものであるのに、消費者が安全ではない又は被害を被ると思って商品を買わない等の事実であると認識しております。

▼大河原:

風評被害とは、間違った情報とか意図的なデマ、あるいは根拠の不確かなうわさとか曖昧な情報をきっかけにして生じる経済的な損失のことと私は理解をしております。世界中に放射性物質がばらまかれた、汚染をされたことは厳然とした事実です。

大臣のご答弁は、基準値以下で大丈夫だから食べてほしいが、皆さんの理解がどうして進まないのかということですが、消費者の選択のどこにそごがあるとお考えでしょうか。

△森まさこ大臣:

今、大河原委員がおっしゃったとおり、間違った情報、曖昧な情報、またもう一つ付け加えるならば、政府が発表している数値に対する不信感、そういったものを基に消費者が選択をしているということだと思います。

ですので、正しい情報を伝える。先ほど私が冒頭申し上げたとおり、正しい情報、基準値があるということ、また、その基準値が幾つかということを伝える。そして、曖昧な情報をなくす。その基準値の持つ意味で、今政府は基準値よりも以下のものは安全であるということで基準値というものを発表しているわけですから、そのことを伝える。伝えた上で、選択するのは消費者でございます。それはもちろんでございますので、私はそれをきちんと認識した上で選択をしていただきたい。それをすることが風評被害の払拭だというふうに思っております。

▼大河原:

食品は汚染され、チェルノブイリの例を見れば、長く長くその汚染は残って、いまだにいろんなものから出てくるわけです。改めて理解を進めるチームをつくられたということは、これまでのやり方がうまくいってなかったということでしょうか。

政府が出している数値に信頼が得られなかったということも、大臣は先ほどおっしゃいましたけれども、どのようにご理解いただけばよいとお考えなのでしょうか。

△森まさこ大臣:

ご質問は、現状の基準についての評価ということだと思いますが、基準は厚生労働省が定めております。基準を定めたときには前政権でございましたけれども、私は政府が定めた基準というものをしっかりと国民に認識をしていただくということで進めてまいりたいと思っています。

私は、基準自体を決める厚労大臣とは別の立場でございますけれども、基準自体については安全なものだから政府がそのように定めたというふうに認識をしております。

▼大河原:

リスクコミュニケーションは本当に難しいと思います。緊急の意識調査では、政府が調査をしている、検査をしているということを知らないという方たちがおられることもわかりました。基準値以下ですから食べてくださいと言っても、いまだ世界中にこれが正しいんだということは何一つないんですね。

食べ物から、あるいは水や空気から体が汚染をされる、その蓄積がどういう影響を及ぼすかについては知見がないということをみんなが自覚しなくてはいけない。私たちの生活の中でいろんなことがあるわけです。ホットスポットもある。あるいは、自家菜園で作っているものを食べる方たちも、ふるさとから送ってくるものもある。

ですから、リスクコミュニケーションの取り方について、安心が得られるように、お一人お一人の選択に資することを第一に考え、知る手段がない方に対してのアプローチも含め、情報提供できるように考えていただきたいと思っています。

私たちの食生活から日常の活動、生活までどういうふうに自分が選んでいくのか、そういうことをうまく合理的に考えられるように、その不安にこたえられるようにしていくのが、難しいけれども消費者庁の役割だというふうに思っています。

基準値以下だから、安心だからという言い方は、理解が得られるとは思えません。市民、消費者一人一人が自ら調査をし始めています。知って食べる、そういうことをしっかり確実にできるように是非していただきたいと思います。(大臣は)子ども・被災者支援法の中心的な立案者でございましたので、リスクコミュニケーションのことについてもどうお考えか、お答えいただけるでしょうか。

△森まさこ大臣:

今委員おっしゃったとおり、選択をするためにまず知るという情報提供、そして選択をする機会、そしてその情報の意味を理解するための消費者教育というものを併せて行っていくために、今、実態把握を進めておりますので、1月から実態を把握をしてきて、4月に施策を取りまとめるときには今の委員のご指摘を取り入れた形で取り組んでいきたいと思います。

▼大河原:

リスクコミュニケーションということですので、安心だけではなくて、本当にリスクをみんながどのように理解をし、それを承知で選択するということなんですね。非常に難しいことだと思いますが、しっかりとやっていただきたいと思います。

消費者の権利に関連し、食品表示についてですが、これまで様々な偽装表示、様々な食品事故がありました。閣議決定された新しい食品表示法には、「消費者の権利であることを尊重する」という書き方です。消費者法に出ている言い回しではありますが、「権利であることを尊重する」と「権利である」ということは同義語なのでしょうか。少し何だか緩まった感じがするのですが、その点どうでしょう。

△森まさこ大臣:

今、国会に提出している食品表示法案の条文の文言のお話の質問でしょうか。

ここには、基本理念の中に、消費者の権利を尊重するとともに、消費者の自立を支援するということが書かれております。第三条に書かれております。消費者の権利であるということを緩めたということはないというふうに認識をしております

▼大河原:

大臣のご出身の日弁連は、消費者の食品表示にかかわる権利というものはもっとはっきりと書いてほしい、と言われており、大臣も重々ご承知だと思います。食品表示については、検討会が長く続けられてきましたけれども、消費者が望む、例えば原料原産地表示、遺伝子組換え食品の表示、その他についても積み残された議論になっていて、新法の中には一緒に議論されませんでした。

この表示方法については法案が出てきたときにきちんと議論させていただこうと思っていますが、食品事故で大きな被害が起こった歴史もあり、特に日本は食料純輸入国でございますので、その意味でも表示でしっかりと消費者が分かるということが大事です。この食品表示に懸ける消費者の権利について、もう少し踏み込んだご答弁をいただけるように期待をしたいと思います。

次に、TPPについてです。日本は、福島の事故が起こるまで、日本の食べ物は非常に高い技術で作られていて安全だという評価があります。

しかし、例えばアメリカでは、日本のような牛肉のトレーサビリティーはありません。輸入を認める月齢基準は既に緩和されています。他の国から入ってくるということについて、安心できる基準が守られるように、緩和は受け入れるべきではないと思いますが、森大臣、いかがでしょうか。

昨年の野田総理の訪米のときには、TPP参加は表明はしてはならないと一緒に反対の署名をした仲でございますが、どうでしょう。

△森まさこ大臣:

TPPに関しては、当時、民主党政権下でのTPPの参加表明について、聖域を全く認めない形での参加表明は反対するという立場でございました。現在、我が国は安倍総理がTPP交渉への参加に向け調整を行っているところではございますが、私は、国民の食品の安心、安全、そして食品の表示のところはしっかりと消費者に資する形になることを閣内でも求めて全力を尽くしてまいりたいと思います。

▼大河原:

昨年の1月に、TPPの調査でワシントンDCに行って、バイオ産業の業界の皆様とお会いしたときに、日本がTPPに入れば遺伝子組み換えの一部表示義務付けはさせないという強い意志を感じて帰ってまいりました。表示は消費者が強く求めておりますので、消費者を守る立場から、TPPのご判断も閣内で是非反対の、慎重の声を上げていただきたいと思います。副大臣も共に慎重なお立場だったと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それで、消費者大臣の、消費者庁の重要なカウンターパートとして消費者委員会がございます。消費者の声をしっかりと受け止めて、これまで消費者委員会ができてから次々と建議もされてきました。このことについては所信の中でも、これからもどんどん建議をしていただきたいと大臣もご発言でしたけれども、今日は消費者委員会の事務局長に来ていただいておりますので、これまでの消費者委員会からの建議がこれまでどう施策に生かされ、今後どのように連携をしていくか、是非お聞かせください。

△原早苗政府参考人:

消費者委員会においては、これまで11件の建議、またそれから数多くの提言を関係大臣あてに発出してきております。

具体的にというお話でしたけれども、委員会の建議を受けて、有料老人ホームの前払金の取扱いを明確化するための老人福祉法の改正や、無登録業者による未公開株等の取引を無効化するための金融商品取引法の改正等、各種の制度改正が行われたほか、様々な消費者問題に対処するための法執行の強化や運用の改善が図られております。公共料金についても、昨年の2月に横断的な課題ということで建議を出しておりまして、消費者の参画とかそれから情報の開示、こういったことについて横断的な提言を出したところです。その後、具体的には、各電力会社の値上げ問題、電気料金の値上げ問題に、その視点、消費者庁が作成されたチェックポイントにも生かされて、今、電気料金の値上げ問題には取り組んでいるということになります。

それから、建議については、一定期間置いたところで半年後ぐらいに、その実効性を上げていただくために関係省庁に取組状況を委員会の場でご報告いただいております。第1回目の建議は自動車のリコールについて出したのですけれども、年明け、三菱自動車のリコールの問題が起こりましたので、これについても、3月に国土交通省にお越しいただいて、実態がどうなっているかということをお話をしたりしております。

それから、建議とか提言についての今の状況については、現在の状況ということで、消費者委員会のホームページのトップページのところからバナーを設置しておりまして、どういう建議内容であって今どういう状況にあってというところを情報開示しておりますので、そちらも見ていただければと考えております。今は投資詐欺に取り組んでおります。

▼大河原:

消費者庁のスタートにあたっては、このカウンターパートとなる消費者委員会の事務局に十分な人員が配置をされ、そして予算も十分に付くと期待していましたが、民主党政権のときも、増やすことはできませんでした。消費者庁がカウンターパートとしっかりと連携していくことは大臣に懸かっています。しっかりと連携していってほしいと思います。もちろん第三者機関ですから、連携といっても、監視の機能を持っているので、消費者委員会の皆さんにも、それ以上の期待が掛かっております。

そして、大臣にいま一度伺いますが、消費者に一番近い委員会から監視をされながら行政を回していかなければならないわけですけれども、現場が重要と言っておられますが、どのように現場の声を反映されていこうとなさっていますか。

私は、消費者庁現長官は消費者運動の中から育ってこられた方だと思っております。その点についてもいかがでしょうか。しっかり連携していただきたいと思いますが。

△森まさこ大臣:

まさに私も現場から来て、大河原委員も現場から来て、現場の意見を国に届けたいなという思いで来ましたけれども、今は行政の立場に来まして現場の意見を毎日聞くということがなかなか難しく、弁護士のときは毎日毎日被害者と相対していたわけですから、そのときと同じようなアンテナをいつも持っていたいと思っています。

そのためには、今委員ご指摘のとおり、長官ですとか、それから原事務局長、そして消費者委員の方々、また様々な審議会の中にいる消費者により近い方、消費者そのものの方、それから相談員の方、消費者団体の方、弁護士の方、そういった意見をしっかりと聞いてまいりたいと思います。

そういう意味でも、国民生活センター、1年間凍結させていただいて検討しているんですが、国民生活センターの中にあった直接相談という機能がやはり現場の意見を吸い上げるとても良い機能を持っていましたので、その機能を今後ともずっと生かしていくような形が何かできないかなと思っておりますので、また先生のご意見をいただいて検討してまいりたいと思っております。

▼大河原:

安倍総理は経済成長最優先ということなので、消費者は被害に遭う可能性があるのではないかと危惧するところです。しっかりと消費者の権利を守るというお立場でご活動いただきますようにお願いして、質問を終わります。