第183国会 2013(H.25)年5月23日「国土交通委員会」

▼大河原雅子:

道路法等の一部改正をする法律案について質疑いたします。

東京の道路は(主に)オリンピックのときにつくられており、耐震化のためにチェックする必要があると思います。様々なところで老朽化、劣化が顕在化しており、社会資本の劣化の急増に対して合理的にそして効率的に、安全に管理していく、そして迅速に更新を進めること、国民の命を守る、安心、安全のためだという視点が欠けていてはならないと思います。道路は、東京でも年間1000か所道路陥没があります。道路の下の下水管が老朽化をしていることも相まって、その更新は重大な課題になってきております。

道路構造物の老朽化に加えて、重量制限違反の車両が通行することで更に劣化が進むようですが、大型車両の適正化が今回の改正でかなり進むように思います。まず、こうした違反車両の取締り状況とか違反の実態、これを伺いたいと思います。

△  前川秀和政府参考人:

大型車両の違反通行の実態についてお答えを申し上げます。道路法及び車両制限令におきまして、道路構造の保全と交通の危険防止のため、道路を通行する車両の重量等の制限を定めております。重量制限の遵守状況を把握するため、直轄国道に全国で39か所設置いたしました大型車両の重量を自動的に計測する装置によりまして、大型車両の軸重並びに総重量を把握しているところでございます。平成23年度に計測した結果でございますが、全体で車両約580万台のうち3割強に当たる約192万台が重量制限を超過して通行をしていたというような結果が出ております。

▼大河原雅子:

 580万台中1/3の192万台が違反車というのは、驚きますが、これは取り締まれなかったということなのでしょうか。放置してきたとは言いたくありませんけれども、この状況に至った原因は何なのでしょう。

△  前川秀和政府参考人:

お答えを申し上げます。これまでも、先ほど申し上げました車両重量自動計測装置により違反を把握した車両に対しては、事業主に対しまして警告書を発出してまいりました。しかしながら、違反が減っていないということからいたしますと、違反車への是正指導が不十分であったというふうに考えております。このため、特殊車両の通行に関する指導取締要領を本年1月に改正をいたしまして、今年の3月から、直轄国道の管理を担当する事務所において違反者を呼び出し直接指導して改善を求めるなど、違反者に対する指導の徹底を開始したところでございまして、関係業界にも協力を要請しているところでございます。

▼大河原雅子:

  違反者の取締りは難しいのかもしれませんが、先ほど御紹介のありました自動計測装置が付いているところは、全国に39か所ということですが、39か所は少な過ぎると思うわけですが、この自動計測装置は何が測ることができて、1か所の費用は高いものなのでしょうか。39か所の場所も公表されておりません。その理由と、増やしていくお考えはないのでしょうか。いかがですか。

△  前川秀和政府参考人:

 車両重量自動計測装置につきましては、直轄国道で全国で39か所設置しておりますけれども、これまでのいろんなデータによりますと、特に大型車の通行が多い箇所を重点的に設置をしておりまして、大型車の約6割は39か所で捕捉をできるというふうに考えております。1か所当たりの整備費用は約1.6億円。これは建設、整備に必要な金額でございまして、そのほかに毎年の維持管理費もございますが、そんなに大きな金額ではないと思っております。39か所を今のところは増やす予定はございませんけれども、必要があれば予算措置をして増やしていきたいというふうに思っております。また、39か所の場所について公表をしていないということでございますが、確かに取締りの効率を上げるために積極的な公表は控えさせていただいておりますけれども、必要があれば資料はお出ししたいというふうに思います。

▼大河原雅子:

39か所の場所を公表すると、そこを通らないで逃げ道、抜け道をという不届きな方たちが増えるのでないかということも確かにあると思いますが、付いていることが、むしろ抑止力になって、逃げおおせない、ごまかし切れないということがあるんじゃないかと思います。39か所で6割の通行量をカバーするということですが、残り4割のチェックには、大きな事業者は既に計測装置を持っているので、積み込むときに対応が取れるはずです。(積載オーバーを)承知で通行させている事業者はかなり確信犯だと思います。今回の改正で違反者に対して報告徴収、立入検査ができるようになり、また罰金も30万円ということですが、厳罰にしてしかるべきだと思っております。まず、こうした大型車両の適正化ということについて、国土交通省の資料によると、過載をしたトラック1台分は、それを二つに分けたものよりも、過剰に積んでいるトラックの方が、400倍道路に対する荷重が掛かる、荷重というか負担が掛かるということです。大型車両の適正化ということについて、命にもかかわる問題だと私は思いますが、大臣のご所見と決意を伺いたいと思います。

△  太田昭宏国務大臣:

 高度成長期で造った構造物が劣化をしてきて、冒頭に先生ご指摘のように、東京のオリンピック、昭和39年直前に造られた高速道路、これが劣化をしてきていると。特に、阪神大震災の後に橋脚の帯鉄筋を巻くという作業が行われているんですが、上に乗せている床版という部分は、相当、自動車が走行しますとそこで床版がやられるというような事態がございまして、特に、弱点それぞれありまして、その橋脚と床版との間の支承というんですけれども、そこのところの点検というのが非常に大事だと思います。一般道は、特に首都圏の中では穴がいっぱい地下にありまして、ここは本当に走行しながら調査をして埋めていかなくてはならないということが一番大きな問題ですが、その中に、この大型車両という、通行という問題がございます。そういう意味では、今回の措置は、老朽化しているということの老朽化対策をやるとともに、その原因ともなる大型車両というものの制限をしていくということですから、今先生からご指摘のありました、まあ39か所という、足りないんじゃないかというようなことも含めて、これ、どこどこというふうに指定はできませんけれども、この法改正をするわけですから、それがしっかり機能できるようにという措置をとっていきたいと、何よりも安全ということに留意してやっていきたいと思っております。

▼  大河原雅子君:

ぜひ、この法の改正を生かしていただきたいと思います。

次に、工事代行について伺います。平成19年からは、長寿命化修繕計画の策定費用、これの補助も実施されておりますし、20年からは点検費用に対する補助も実施されております。これらの実績はどうなっているでしょうか。

△  前川秀和政府参考人:

地方公共団体が管理する橋梁につきまして点検を行い、更に長寿命化修繕計画の策定を促す観点から、委員ご指摘のとおり、平成19年度から点検費用を補助する制度を創設いたしまして、20年度からは点検に関する費用、それから長寿命化修繕計画の策定に関する費用も補助対象としております。また、平成22年度以降は、社会資本整備総合交付金でありますとか防災・安全交付金により、地方公共団体に対する財政的支援を行ってきたところでございます。これによりまして、長寿命化修繕計画の中で、橋梁の長寿命化修繕計画の策定率でございますが、平成20年の4月時点では11%、内訳を申し上げますと、都道府県、政令市が26%、市区町村は1%という大変低い状況でありましたが、平成24年の4月時点では、計画の策定率69%、内訳は、都道府県、政令市が98%で市区町村が51%というところまで上昇をしてきたところでございます。国土交通省といたしましては、地方自治体が管理する橋梁の維持修繕が適切に実施されるよう必要な財政的支援を行うとともに、いろんな技術的なアドバイスといったようなことも含めて、引き続き支援をしてまいる考えでございます。

▼大河原雅子:

  今、ご紹介いただきましたように、修繕計画の策定状況は、都道府県で98%、市町村で

51%、これは昨年の時点ですから、既に実施済みというものの数、パーセントはすごく低いわけですね。都道府県では17%、市町村では3%ということなので、まさしくこれからということで、特別な措置ということの3年間の成果というものもこれから求められてくると思います。それで、今回の改正で、国土交通大臣は、都道府県道又は市町村道などを構成する橋梁、トンネルなど、修繕、改築工事に高度な技術、機械力を要する大型構造物については、要請に基づいて国土交通大臣が工事を代行することになります。市町村道の一部で大規模な構造物、高度な技術力、機械力が必要なものを支援をしていくと。費用負担はこれまでと変わらないということですが、その辺のイメージがまだよく分かりません。工事を代行するということになれば、各地から要請がたくさん上がってきて、まさに熾烈な陳情合戦が再び起こるのではないかという危惧を持っております。国土交通大臣としては、要請をされた特別の地域の皆さんだけではなく、全国民に対しての説明責任が発生するわけですから、公平公正な判断を求められるということで、どのような透明性を担保しようとしておられるのか、その点についてお伺いしたいと思います。

△  太田昭宏君国務大臣:

 今回は、ご指摘のように、新設をするということでは、トンネル等でも今回も代行でやるというようなことも行っていますが、修繕において代行というものをするというのが今回初めてでございます。長いトンネルや橋、そうしたことで、現在あるものを直すときに、また別のところに置いておいて、そして橋梁ですと、日常的に使ったり、下に船が通ったり、いろんなことがあったりしまして、相当の技術力が必要な橋、あるいはトンネル等でもございます。また、東京とかそういうところでは、どういうこれからこれが展開になるかはまだよく吟味しておりませんが、物すごく交通渋滞というか狭いところで、河川のところなんかで、非常に伝統のある太鼓橋みたいなものがあったりしますと、それはかなり工事にも大変ですし、かかわってやっていかなくちゃいけないと、長さはもう短くてもそういうものが出てまいります。そうしたことを要請を受けて、国が代行してやっていくということが必要な場面が出てきます。その際、工法などについて技術的なアドバイスをいただくために、委員会を必要に応じて設置するようにしまして、国の中に有識者の委員会を設置して、そこで個々のことについても検討をしていくという作業を真ん中にかませるというふうにしたいというふうに思っています。いっぱい私のところに言ってきたもので、優先順位はその意識の強さというようなことにはなってはならないと思いますから、よく地元の人の納得できるもの、そして緊急なもの、その上に技術的な水準を保たなくてはならないもの、総合的に我々も判断したいというふうに思っていますが、そこに有識者によります委員会というようなものもこれは整備局の方に置いて、よく吟味をさせていただきたいというふうに思っておるところでございます。

▼大河原雅子:

イメージが、多少湧いてまいります。大型、大規模というだけでなく、小さくても技術力が必要というものはあるわけですね。そういうものがある地域というのは町の中ではなくて、むしろ人口が減って過疎化をしたようなところの命の橋であったり命のトンネルであったりするのではないかと思います。ただ、地方にできた大規模で高度なものは、おそらく造るときにも大変なご要望が強く、声が強いところにたくさん造られたということもあるかもしれません。そういったものが国から移管をされて、自治体の所有になった途端に維持できなくなるという状況もあると思います。東北の震災のことを考えれば命につながる優先順位というものがあるはずなので、その点はぜひご配慮いただきたいと思います。白書によれば、国土交通省の所管する社会資本は今後50年に更新費として約190兆円を要するとされています。つまり、所管の社会資本としては道路、港湾、空港、公共賃貸住宅、下水道、都市公園、治水、海岸などということですが、同時に白書には、この中でも約30兆円分は更新ができないという試算をされているわけです。ですから、今回の改正は今後3年間にわたって当面講ずべき措置の一端ということですが、人口減少時代ですし、更新できないものについて変更とか代替案とか縮小案とかあるいは廃止というような、こういった議論をどのように行っていくのか、お伺いいたします。

△  赤澤亮正大臣政務官:

 高度成長期以降に整備されたインフラが今後急速に老朽化をすると、そしてそのインフラの維持管理、更新に戦略的に取り組まなければならないということは、委員全く御指摘のとおりでございます。その際、維持管理、更新に多くの費用を要すると見込まれますので、新技術の開発や施設の長寿命化による更新の平準化などいろいろと工夫を凝らして効率的に進めると。全体の必要な費用もできるだけ抑えて、なおかつその必要性がなされて出てくるように工夫をするということでございます。

今後、人口減少が進む中で、今委員がご指摘になった点も含めて、インフラの維持管理、更新にどう対応するかについては、各々の自治体が地域づくり、まちづくりと一体として考えていくものであり、国としては地域の判断を尊重しながら支援をしていくという考え方でございます。具体的には、地方公共団体に対してより効率的に維持管理をしていただくために技術の開発をして提供したり、あるいはマニュアルの提供や研修などを実施するほか、財政的にも防災・安全交付金などで積極的に支援をしていこうという考え方でございます。

▼大河原雅子:

国土交通省所管の社会資本は今ご答弁いただいたものですけれども、地域には更に生活密着型の医療関連の施設、介護関連の施設、学校、公共施設などがありますが、これらも老朽化が進んでいます。人口減少で、どういうビジョンを持ってまちづくりをしていくかということがまず、第一だろうと思いますので、今ご答弁いただいた、地域を主体にした支援の方法を必ずやっていただきたい。そのためにも、データの出し方や議論の方法など含めて、ぜひオールジャパンに向けて地域の思いを実現するためのものになるということを啓発していただきたいと思います。最後になりますが、今後の課題について大臣にお伺いします。将来に備えては、このように財政的にも厳しい中で、長寿命化をするということからいっても、安定的な予算の確保というのが必要になります。それから、維持管理にかかわる行政職員の人員確保、技術力の確保、これは国も地方も職員の方々の確保というのはある程度きちんとしなければならないと思います。さらには現場で、どんな事業もその地域地域でビジョンを持つならば、そこに安定的に持続可能な仕事として、一定程度の建設を中心にする産業が健全に育成されなければなりません。その建設産業の人材確保、育成というのは、先日来、非常に委員会でも議論されてまいりましたけれども、これらの方針について大臣から所見を伺いたいと思います。

△太田昭宏国務大臣:

  私の考えていることと同じ質問をしていただいて感謝をしていますが、予算を一定で、急に落としたり急に上げたりということになりますとなかなか、老朽化対策も含めて、防災、減災も含めてやらなくてはならないとなりますと、これは目安がなくなります。私は、予算というのは持続的に安定的にと、安定的というふうに今指摘がありましたが、安定的にやっていくということはまず国としては必要だと。地域が老朽化を始めとするそういうことでやっていかなくちゃいけないとしたら、ここは確かにおっしゃるとおり、人に技術力を持つ。点検をするといっても、そこで点検できるという人が必要であると。ものすごく学者みたいな知識じゃなくても、目視をするという、足で稼ぐ点検ということもあるわけで、そうしたことの技術を若干なりとも蓄積できるというような職員をきちっと配置をするということも必要になってくると。その上に、今一番問題となっておりますのは、こうした土木建設関係に若い人が入職していない。技術はアルバイトというような形では身に付かない。そこでその人たちが仕事をし続けていく、それには、一つは、その企業がこれも安定的に仕事があるというところに持っていくということがあって初めて企業は人を採用することができると。もう一つは、働く側にとってみると、誇りというものが必要だというふうに思うんです。現場の中で働いている俺たちにはこういう誇りがあると。震災のときでも、田城先生のところもそうですけれども、本当に現場の中で、駅を俺たちが守ったんだと、僕はビデオを見させていただきましたけれども、そういうようなことが物すごく大事で、一番最前線の現場の人たちが誇りを持って、我が町は、我が企業がというような、俺たちが、老朽化、いろんなことでは守るんだというような誇りというものが、安定的な仕事量と、そしてそこの誇りというものを両面持って初めてこの人たちはいい働きを日本の中で最前線でしていただけるんだと私は思っています。そういう観点では、今回、公共事業設計労務単価を引き上げるということをさせていただいたり、保険に入るようにしなさいよということを企業にも私の方から言わせていただいて、それはアルバイトということで使い捨てにならないようにということを意味しているわけでありますけれども、あわせて、富士教育訓練センターというのがございますけれども、企業だけで教育訓練するんじゃなくて、そこに行って訓練ができるというようなそういうシステム、教育施設、現場の作業がそこでできるというようなことや、あるいは専門学校との連携、様々な意味で若い人が誇りを持って仕事ができるようにというバックグラウンドをしっかりつくっていきたいというふうに強く思っております。

▼大河原雅子:

 人材育成は本当に大事だと思います。そして、必要とされる社会資本整備は時代によって変わってきましたし、地域によっても異なると思います。でも、第一はやはり公共事業としての信頼性だと思いますので、誰からも納得され必要とされる公共事業をしっかりと進めていただきたい、無駄なものはきちんとチェックをするということをお願いしたいと思います。以上で終わります。