憲法記念日に誓う
違憲の安全保障法制が昨年9月に強行成立し、はじめての憲法記念日を迎えました。【国民主権・平和主義・基本的人権の尊重】を3大理念とする現行の日本国憲法は、苛酷な戦争の教訓から新生を誓った日本の世界への約束であり、主権者である国民の宣言です。戦後の日本は、この憲法の下70年間どの国とも戦争せず、専守防衛のための自衛隊も一人も殺されず・殺さず、平和の国として世界の人々から信頼を得てきました。
しかし今、安倍政権の執政によって日本国憲法は重大な危機を迎えています。主権者である国民が望んでいるわけでもない【憲法で禁じた集団的自衛権の行使】を、時の政権が権力にものを言わせて、国会の議論もなく枠外解釈し、その解釈改憲を既成事実化しようとしているのです。憲法の遵守義務がある政権が憲法の縛りから逃れようと改憲にひた走る事態は、立憲主義・国民主権の否定であり、断じて許してはなりません! 立憲・民主主義の破壊である安倍自公政権の暴挙に、憲法学者や若者、子育て中の母親を含む多くの市民が立ち上がり、国会前や各々の地域で安全保障法制廃止を求めて活動を続けるとともに、市民や専門家による安全保障法制の違憲訴訟も提訴されています。
私は、初めて日本国憲法(前文)を読んだ時の感動を忘れることができません。特に『不戦の決意・戦争放棄』と『人権・平和の理念』は、戦争を体験した親の世代の労苦の結果できた大切なものとして、子ども心に深く刻みました。
また、都議会議員となって知遇を得た松下圭一先生の「市民自治の憲法理論」からは、「市民自治」を基本とする「市民自由=人権・平和」、「市民福祉=シビルミニマム」を価値規範とする『市民政治』の特性を学び、暮らしに憲法を活かす、憲法の実践を教えられました。以来、大事なことは地域で決めること、自分の未来は自分で決める・決められる社会にすること、それらを念頭において憲法のあり方を考え続けています。
なにより、私たち自身が憲法を語り、憲法を活かすことが重要です。私たち市民の中に憲法を根付かせること=市民による憲法実践により、立憲主義を実現していきたいのです。今夏の参議院選挙は、日本の政治の分岐点となる選挙です。日本の国のかたちを変え、平和主義の根幹をも大きく変えてしまう安倍自民党政権に対して、私は真正面から立ち向かう決意です。
2016年5月3日
大河原まさこ