質問主意書08.05.23

2008(H.20)年5月23日提出 (質問第131号)

八ッ場ダム建設事業の今後に関する質問主意書・答弁書の内容

 八ッ場ダム建設事業に関しては、八ッ場ダムの完成予定年度を2010年度から2015年度に延期する三度目の基本計画変更案が本年1月に国土交通大臣から示され、それに対して各都県知事は議会の議決を経て国土交通大臣に同意とするとの回答を4月までに行った。各都県議会での採決の結果をみると、以前の計画変更案の採決時とは異なり、一部の議会では賛成反対が拮抗する状況となっており、5月19日には「八ッ場ダムを考える一都五県議会議員の会」が参加都県議員61名によって発足するなど、受益者とされる関係都県の議会において八ッ場ダム事業見直しの声が大きく広がってきている。今回の計画変更によって、完成予定が2015年度となることになっているが、実際に八ッ場ダム建設事業を継続していくには多くの課題がある。

それらの課題について以下、質問する。なお、答弁は誰もが分かる平易かつ明解な言葉で説明されたい。

1 工期について

ダムサイト予定地の河道をふさぐ本格的な本体工事の実施開始時期

▼質問1-1:

2015年度完成の工期スケジュールにおいて、ダムサイト予定地の河道をふさぐ本格的な本体工事の開始は何年度を予定しているのか。また、ダムサイト予定地の河道をふさぐのはダム地盤の掘削がどの段階に達した場合であるのかも明らかにされたい。

△答弁:

お尋ねの「ダムサイト予定地の河道をふさぐ本格的な本体工事」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、八ッ場ダムの本体となるコンクリートの打設(以下「本体打設」という。)は平成24年度に開始する予定である。また、本体打設前に実施する河川の転流のための工事の一部である仮排水トンネルの工事は既に着手しており、河川の仮締切の工事は、仮排水トンネルの完成後、天端以下の基礎岩盤の掘削を開始する前に実施する予定である。

本体工事と付替国道・鉄道工事及び水没予定地住民の移転との関係

▼質問1-2

ダムサイト予定地の河道をふさぐ本格的な本体工事を開始するまでには、付替国道、付替鉄道の工事がすべて完成し、水没予定地住民の移転がすべて完了していることが想定されているのか。

△答弁:

御指摘の「事業別執行額(予算ベース)」の根拠が必ずしも明らかではないが、付替道路は、1-5及び6についてで述べたとおり、事業費が大きく工事に期間を要するトンネルや橋梁を先行して整備していることから、単に予算の執行率に比べ工事の進捗率が低いことのみをもって、事業費が増大するとは言えないと考えており、今後ともコスト縮減等を図りつつ、予定している事業費の範囲内で付替道路が完成するよう努力してまいりたい。

付替国道、付替県道、付替鉄道、代替地造成の進捗率

▼質問1-3:

付替国道、付替県道、付替鉄道、代替地造成それぞれの平成19年度末の工事進捗率を示されたい。なお、代替地造成は地区ごとの工事進捗率を示されたい。

△答弁:

八ッ場ダム建設事業に係る付替道路について、既に完成した区間及び工事に着手している区間の延長とその全体に対する割合は、平成19年度末現在、二車線の付替国道が約5.7キロメートルで総延長約10.8キロメートルの約52パーセント、一般県道林岩下線の付替道路が約4.6キロメートルで総延長約6.9キロメートルの約66パーセント、一般県道林長野原線の付替道路が約2.4キロメートルで総延長約3.9キロメートルの約62パーセント、一般県道川原畑大戸線の付替道路が約240メートルで総延長約1.1キロメートルの約21パーセントである。

また、八ッ場ダム建設事業に係る付替鉄道について、既に完成した区間及び工事に着手している区間の延長とその全体に対する割合は、平成19年度末現在、約8.4キロメートルで総延長約10.4キロメートルの約81パーセントである。

さらに、八ッ場ダム建設事業に係る代替地については、すべての地区で分譲を開始しており、各地区ごとの分譲を開始している面積とその分譲を予定している全体の面積に対する割合は、平成19年度末現在、川原畑地区が約6,100平方メートルで全体面積約62,300平方メートルの約10パーセント、川原湯地区が約9,800平方メートルで全体面積約98,500平方メートルの約10パーセント、横壁地区が約6,900平方メートルで全体面積約3万3,800平方メートルの約20パーセント、林地区が約5,500平方メートルで全体面積約7万6,700平方メートルの約7パーセント、長野原地区が約5,500平方メートルで全体面積約7万400平方メートルの約8パーセントである。

付替国道・付替県道の工事開始時期

▼質問1-4:

昨年12月21日に開かれた関東地方整備局の事業評価監視委員会の配布資料によれば、付替国道・付替県道の昨年10月末段階の工事進捗率は52パーセントとなっており、半分程度しか進んでいない。この付替国道・付替県道の工事はいつから開始されたのか。

△答弁:

付替道路のうち、一般国道145号は平成7年度から、一般県道林岩下線及び一般県道林長野原線は平成11年度から、一般県道川原畑大戸線は平成16年度から工事に着手している。

付替国道・付替県道の完成予定時期

▼質問1-5:

付替国道・付替県道の完成予定時期を明らかにされたい。

付替国道・付替県道の完成予定時期が大幅に遅れる可能性

▼質問1-6:

付替国道・付替県道は工事が随分以前から行われてきているにもかかわらず、進捗率が半分程度にとどまっていることから見れば、完成までに最低でもあと10年はかかると考えられる。現在の工事進捗率から見た今後の見通しを明らかにされたい。

△質問1-5と6の答弁:

付替道路については、事業費が大きく工事に期間を要するトンネルや橋梁を先行して整備していることから、1-3についてで述べた工事の進捗率を考慮しても、二車線の付替国道は平成22年度末までに、一般県道林岩下線は平成22年度末までに、一般県道林長野原線は平成24年度末までに、一般県道川原畑大戸線は平成26年度末までに工事が完了すると見込んでいる。

川原畑地区の付替国道の難工事

▼質問1-7:

付替国道の予定地のうち、川原畑地区は地質が劣悪で、工事が難航していると聞く。昨年12月には川原畑代替地に隣接する国道予定地の法面で大きな崩落事故があったと聞く。同地区には地すべり地帯もあることから、今後も付替国道は相当の難工事が予想される。昨年12月の前記の法面崩落事故に対する対策工事の予定、川原畑地区の付替国道工事の今後の見通しを明らかにされたい。

△答弁:

お尋ねの「法面崩落事故に対する対策工事」については、崩落が発生した原因及びその対策工法について、現在、調査及び検討を行っているところである。調査及び検討が終了した後速やかに対策工事を実施し、引き続き、川原畑地区を含む一般国道145号の付替工事を進めてまいりたい。

代替地の沈下量の測定

▼質問1-8:

川原湯地区の打越代替地には沢を埋め立てた盛り土造成地があり、埋立て土層の収縮で地盤沈下が心配される。このような造成地では、沈下量の測定を行い、沈下がおさまったことを確認してから分譲を開始するのが普通であるが、しかし、打越代替地については今まで沈下量を測定しているのは法面だけで、居住部分である造成地については沈下量を測定してこなかったことが明らかになっている。沈下量は長年測量を続けて結果が判断できるもので、仮に今後測量しても、意味があるデータが得られるのは大分先のことになってしまう。なぜ、打越代替地の居住部分について沈下量の測定をしてこなかったのか、その理由を明らかにされたい。また、八ッ場ダム事業における他の代替地では沈下量の測定を行ってきたのかを明らかにされたい。

△答弁:

川原湯地区の打越の代替地については、大規模な盛土により代替地を造成する箇所(以下「盛土造成箇所」という。)であることから、平成14年度よりダム貯水池に面する法面において沈下量の測定を開始し、平成19年3月まで継続して沈下量の測定を実施している。住居等を整備する盛土の上面(以下「盛土上面」という。)については、盛土施工中に継続して測定することが難しいため、盛土上面における測定を行ってはいないが、これまでの法面における測定結果によると打越の代替地の沈下量は収束しており、現時点では盛土上面についても沈下に関する問題はないと認識している。

また、盛土造成箇所である川原湯地区の大沢の代替地と横壁地区の東・中村の代替地においても、沈下量の測定を実施している。

代替地の分譲

▼質問1-9:

八ッ場ダムの水没予定地区の代替地では、一部分譲が開始され、打越地区の第一期分譲地でも現在、分譲交渉が行われているとのことである。代替予定地では今後、移転住民の居住の安全性への配慮から沈下量の測定を行う予定があるのか、分譲開始時期がこれによって遅れるのかどうかを明らかにされたい。また、水没予定地住民の代替地への移転が完了するのは何年度と予定しているのかも明らかにされたい。

△答弁:

代替地については、平成21年度末までにおおむね造成が完了する予定であり、造成が完了したものから、順次分譲を開始することとしているものであるが、盛土造成箇所については、造成中に沈下量の測定を実施し、その結果も踏まえ、分譲開始時期を判断することとしている。

また、川原湯地区の打越の代替地のようなダム貯水池に面した盛土造成箇所については、分譲開始後でも、盛土上面について、試験湛水が完了するまで沈下量の測定を実施する予定である。

さらに、1-2についてで述べたとおり、平成24年度開始予定の本体打設までに、「水没予定地住民の代替地への移転」がおおむね完了していることを想定している。

転流工の遅れが及ぼす影響

▼質問1-10:

転流工(川の仮バイパストンネルの掘削工事)は2007年度から工事をはじめて、2008年度に完成することになっていると聞く。昨年夏にこの工事は大成建設株式会社が落札したと報道されたが、その後、つい最近まで着工されず、約一年の遅れが生じている。この転流工の工事の遅れがダム完成時期に与える影響を明らかにされたい。

△答弁:

1-1についてで述べたとおり、既に、仮排水トンネルの工事に着手し、八ッ場ダム建設事業の完成時期に影響を与えないように工事を進めているため、お尋ねの「転流工の工事の遅れがダム完成時期に与える影響」は現時点ではないと考えている。

付替国道の工事や代替地移転の遅れがもたらすダム本体工事への影響

▼質問1-11:

前記のとおり、付替国道の工事や代替地移転が計画より大幅に遅れる可能性が高いが、これらの遅れは、ダムサイト予定地の河道をふさぐ本格的な本体工事の開始時期に影響を与えることはないのか。

△答弁:

御指摘のように「付替国道の工事や代替地移転が計画より大幅に遅れる」ことにはならないと現時点では考えている。

2 八ッ場ダムの事業費が再度増額される可能性について

付替国道の工事費

▼質問2-1

前述のとおり、付替国道・付替県道の昨年10月末段階の工事進捗率は52パーセントで、あと半分が残っている。一方、八ッ場ダム建設事業の事業別執行額(予算ベース)をみると、平成19年度末では付替国道・付替県道は514億円(付替国道306億円)で、付替国道・付替県道の事業費783億円(付替国道408億円)に対する執行率はすでに66パーセント、付替国道だけの執行率は75パーセントに達している。付替国道・付替県道の残り半分の工事を残り34パーセントの事業費で、また、国道に関しては残りの工事を残り25パーセントの事業費で終わらせることができるかどうかを明らかにされたい。

△答弁:

御指摘の「事業別執行額(予算ベース)」の根拠が必ずしも明らかではないが、付替道路は、1-5及び6についてで述べたとおり、事業費が大きく工事に期間を要するトンネルや橋梁を先行して整備していることから、単に予算の執行率に比べ工事の進捗率が低いことのみをもって、事業費が増大するとは言えないと考えており、今後ともコスト縮減等を図りつつ、予定している事業費の範囲内で付替道路が完成するよう努力してまいりたい。

ダム本体工事費

▼質問2-2:

今回の計画変更案では、ダム本体工事費が大幅に削減されている。しかし、一都四県が今年1月10日にまとめた「都県合同による八ッ場ダム現地調査報告書」では次のように記されている。「本体掘削等において予想外の地質が現れ、事業費が増加する可能性も残している。」本体掘削等において予想外の地質が現れた場合、本体関係の工事費が増額される可能性があるのかどうかを明らかにされたい。

△答弁:

御指摘の「予想外の地質」がどのようなものを想定しているのか必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。

東京電力への減電補償

▼質問2-3:

吾妻川には東京電力株式会社の水力発電所がいくつもあって吾妻川の水の大半を使用している。そのため、八ッ場ダム完成後、ダムに水をためるためには、これらの発電所への送水量を大幅に削減する必要がある。八ッ場ダム予定地付近より下流に在る水力発電所の合計最大出力は約10万キロワットもあるから、送水量削減に伴う減電の補償額がかなり大きな金額になることが予想される。この減電補償額はどれほどの金額になるのか、また、その補償金がいつ支払われるのかを明らかにされたい。

東京電力への支払い済みの減電補償

▼質問2-4:

前記の「都県合同による八ッ場ダム現地調査報告書」に、「減電補償については、今までの支払額について説明があり、確認した。」という記述がある。これは、代替地造成に伴う発電用水トンネルの補強工事の際に減電となった分の補償であって、八ッ場ダム完成後に起きる永続的な減電とは別物と推測されるが、この「減電補償の今までの支払額」の内容を明らかにされたい。

△質問2-3・4の答弁:

東京電力株式会社への送水量削減に伴う減電補償の見込額及び支払予定時期については、今後、任意による交渉を経て契約に至らなければならないものであるとともに、個別企業の経営上の問題にかかわるものであることから、具体的な数値及び時期をお示しすることは差し控えたい。また、お尋ねの「減電補償の今までの支払額」についても同様に、個別企業の経営上の問題にかかわるものであることからお示しすることは差し控えたい。

間接経費

▼質問2-5:

工期が五年も延長されれば、様々な間接経費が嵩んでいくことは当然予想されるところである。今回の計画変更案では測量試験費は増額されることになったものの、営繕費、宿舎費などの間接経費の増額が見込まれていないのは不可解である。今後これらの間接経費が増額される可能性がないかどうか、今後の見通しを明らかにされたい。

△答弁:

お尋ねの「営繕費、宿舎費などの間接経費」については、今後、コスト縮減等に取り組むことにより、増額する必要がないと現時点では考えているところである。

3 川原湯温泉の営業について

水没予定地区の生活環境

▼質問3-1:

水没予定地区の住民は、ダム事業の長期化により長い歳月にわたり甚大な被害を蒙ってきており、ダム事業受け入れ後は工事現場に取り囲まれ、劣悪な生活環境を強いられている。とりわけ、観光業を生業とする川原湯温泉街にとって、周辺の自然環境が破壊されている現状は深刻だと考える。当初の代替地計画において、住民に説明していた代替地への移転時期を示されたい。また、代替地の移転が遅れることにより地元住民が蒙っている被害に対する補償措置をとっているのかも明らかにされたい。

△答弁:

お尋ねの「当初の代替地計画」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、平成17年7月及び8月に国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所が実施した第4回意向調査の際に示した「八ッ場ダム建設に伴う意向調査票(第4回)」においては、代替地の第1期分譲可能予定時期を「平成17年度末」としているところである。

また、お尋ねの「代替地の移転が遅れることにより地元住民が蒙っている被害に対する補償」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、八ッ場ダム建設事業に伴う補償については、「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」(昭和37年6月29日閣議決定)に基づき、引き続き実施してまいりたい。

吾妻渓谷へのアクセス

▼質問3‐2:

川原湯の打越代替地では、移転が完了する予定の2010年度から5年間はダム本体工事の喧騒の中で温泉旅館を営業しなければならない。温泉旅館の経営で重要な意味を持つのは吾妻渓谷との関係であるが、打越代替地と吾妻渓谷との間は高低差が約100メートルもある超急斜面である。ダム本体の工事中、打越代替地から吾妻渓谷へアクセスする歩道がどのように確保されることになっているのかを明らかにされたい。

ダム工事中に吾妻渓谷を散策できる範囲

▼質問3‐3:

ダム本体工事が始まれば、吾妻渓谷の上流部は工事対象区間となる。群馬県の発電所が付設されることになったので、工事対象区間が広がり、散策できる範囲は狭められることになった。ダム本体工事と発電所設置工事が行われている期間、吾妻渓谷を散策できるのはどの範囲なのかを具体的に示されたい。

△答弁:

八ッ場ダムの建設に伴い吾妻渓谷の散策を制限する必要がある範囲については、現在検討を進めているところであり、現時点ではお答えすることは困難であるが、可能な限り工事の影響が小さくなるよう努力してまいりたい。

 

4 ダム本体工事費の大幅削減について

ダム本体関係工事費がダム事業費の10パーセント以下のダム

▼質問4‐1:

今回の計画変更により、ダム本体関係の工事費(貯水池護岸工事と地滑対策を除く)は大幅に削減され、八ッ場ダム建設事業費4,600億円のわずか9パーセントとなった。この9パーセントは異常に低い値である。ダム本体関係工事費が全事業費に占める割合がこのように小さいダムは今まであったのだろうか。いままでに作られた直轄ダムや水資源機構ダムの中で、この割合が10パーセント以下のダムがあれば、その名前と割合を明らかにされたい。

△答弁:

お尋ねの「ダム本体関係の工事費(貯水池護岸工事と地滑対策を除く)」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、現在、国土交通省が管理しているダム及び独立行政法人水資源機構が独立行政法人水資源機構法(平成14年法律第182号)第2条第4項に規定する特定施設として管理しているダムのうち、貯水池護岸工事及び地滑り対策工事に要する費用を除くダム本体に係る費用が、建設に要した費用の10パーセント以下であったダムは、現時点で国土交通省において把握している限りでは存在しない。

長年行ってきた地質調査と最近数年の地質調査との違い

▼質問4‐2:

八ッ場ダムのダムサイト地質調査は長年行われてきている。ところが、最近数年間に行った地質調査の結果で、ダムサイト岩盤が比較的良好であるとして、ダム基礎岩盤の掘削量は149万立方メートルから68万立方メートルへと半分以下に、ダム本体のコンクリート量は160万立方メートルから91万立方メートルへと削減された。数年前まで長年行ってきた地質調査と、岩盤が良好だと判断した最近数年間の地質調査は内容と結果がどのように違うのか、その違いを具体的に明らかにされたい。

ダムサイト岩盤の評価の仕方

▼質問4‐3:

ダムサイト岩盤が比較的良好であるという判断は、新たな地質調査結果が出たということよりも、国土交通省によるダムサイト岩盤の評価の仕方が変わったことによる部分が大きいのではないだろうか。もしそうならば、ダムサイト岩盤の評価の仕方がどのように変わったのかを具体的に明らかにされたい。

△質問423の答弁:

八ッ場ダムの建設のための地質等の現地調査については、平成17年度から実施している現在のダムサイトにおける横坑調査により岩盤のせん断強度を確認する等、地質構造の調査精度が向上している。このため、最新の地質調査結果等を踏まえた設計せん断強度及び岩級区分図に関して、平成19年9月に開催された「第8回八ッ場ダム・湯西川ダムコスト縮減技術委員会」において、意見をいただいたところであり、これを踏まえ、国土交通省は、総合的に判断し、岩盤強度の評価を適切に見直しているものである。

本体掘削等において予想外の地質が現れた場合

▼質問4‐4:

ダムサイト予定地はもともと地質がひどく悪いところであるから、今後、本体掘削等で予想外の地質が現れる可能性が十分にある。本体掘削等において予想外の地質が現れた場合はどうするのか、その対応策を明らかにされたい。

△答弁:

御指摘の「ダムサイト予定地はもともと地質がひどく悪いところであるから、今後、本体掘削等で予想外の地質が現れる可能性が十分にある」の根拠が必ずしも明らかではないが、地質等の現地調査の結果、ダムサイト予定地の岩盤は、ダムを建設する上で問題がないことを確認している。

ダム本体工事費の大幅削減で事故が起きた場合の責任

▼質問4‐5

ダム本体工事費はダムの安全性にかかわるダム事業の要と言うべきものであって、それを大幅に削減することがきわめて重大な事柄である。もしそのために将来、取り返しの付かない事故が起きた場合、誰がその責任を負うのか。責任の所在を明らかにされたい。

△答弁:

御指摘の「取り返しの付かない事故」がどのようなものを想定しているのか明らかではないが、八ッ場ダムの建設に当たっては、ダム本体の安全性を十分確認しながら工事を進めることとしている。

5 付替国道について

国道145線の建設年次計画等

▼質問5‐1:

付替国道を含む国道一四五線を高規格道路として四車線にする範囲と距離数およびその建設の年次計画を明らかにされたい。

国道145線と付替国道

▼質問5‐2:

国道145線のうち、付替国道として四車線にする範囲と距離数を明らかにされたい。付替国道の全体事業費も明らかにされたい。全体事業費は二車線までの分と四車線にする分を分けて示されたい。

△答弁:

お尋ねの「高規格道路」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、地域高規格道路を指すのであれば、一般国道145号のうち地域高規格道路の整備区間として四車線で整備を計画している範囲は、付替道路の整備予定区間内の群馬県吾妻郡長野原町横壁から同郡東吾妻町松谷までの延長約9.4キロメートルの区間であり、平成6年度に事業化し、完成予定時期は未定である。

また、群馬県吾妻郡長野原町長野原から同郡東吾妻町松谷までの延長約10.8キロメートルの一般国道145号の付替道路に要する全体事業費は約786億円と見込んでいる。

なお、「全体事業費は二車線までの分と四車線にする分を分けて示されたい」の趣旨が必ずしも明らかではないが、合計延長約1.4キロメートルの二車線で整備する二区間の事業費の合計は約89億円と、延長約9.4キロメートルの四車線で整備を計画している区間の事業費は約697億円と見込んでいる。

付替国道の工事進捗率と事業費執行率

▼質問5‐3:

平成19年度末における付替国道の工事進捗率と事業費執行率を明らかにされたい。なお、この工事進捗率と事業費執行率は二車線と四車線のいずれを前提としているのか明らかにされたい。

△答弁:

1‐3についてで述べたとおり、二車線の付替国道については、既に完成した区間及び工事に着手している区間の延長とその全体に対する割合は、平成19年度末現在、約5.7キロメートルで総延長約10.8キロメートルの約52パーセントである。

お尋ねの「事業費執行率」については、ダム貯水池、付替道路、代替地等に必要となる用地を同一の地権者から一括で買収している場合が多数あり、二車線の付替国道のみに支出した額を抽出するためには膨大な作業が必要となること等から、お答えすることは困難である。

付替国道のトンネル部分と橋脚部分

▼質問5‐4:

付替国道のトンネル部分と橋脚部分の名称とその距離数、及びそれぞれの工事進捗率を明らかにされたい。

△答弁:

二車線の付替国道に係るトンネル及び橋梁の名称、延長及び工事進捗率については、平成19年度末現在で、群馬県吾妻郡長野原町長野原側から順番に次のとおりである。

トンネルについては、久森トンネル(仮称)は延長約270メートルで工事進捗率が約62パーセント、松谷第一トンネル(仮称)は延長約1,760メートルで工事進捗率が100パーセント、松谷第二トンネル(仮称)は延長約820メートルで工事進捗率が100パーセントである。

橋梁については、長野原めがね橋は延長約460メートルで工事進捗率が100パーセント、小倉沢橋(仮称)は延長約38メートルで工事進捗率が0パーセント、深沢橋(仮称)は延長約91メートルで工事進捗率が100パーセント、三号橋(仮称)は延長約440メートルで工事進捗率が100パーセント、立馬橋(仮称)は延長約47メートルで工事進捗率が100パーセント、久森沢川橋(仮称)は延長約230メートルで工事進捗率が100パーセント、境沢橋(仮称)は延長約51メートルで工事進捗率が0パーセント、鍛冶屋沢橋(仮称)は延長約45メートルで工事進捗率が100パーセント、雁ヶ沢橋(仮称)は延長約180メートルで工事進捗率が100パーセント、松谷高架橋(仮称)は延長約270メートルで工事進捗率が0パーセントである。

なお、トンネルの工事進捗率は、トンネル整備予定区間の延長のうち、掘削が完了している区間の延長の割合を、橋梁の工事進捗率は、橋梁の整備予定区間の延長のうち、既に完成している区間及び橋梁上部工に着手している区間の延長の割合を基に算出している。

付替国道のトンネル部分の四車線化

▼質問5‐5:

付替国道のトンネル部分と橋脚部分は現在は二車線であるので、四車線化するためには、トンネルと橋脚をもう一本ずつ造ることが必要である。四車線化のためにトンネルと橋脚をもう一本ずつ造る年次計画を明らかにされたい。

付替国道の完成予定年度

▼質問56

付替国道二車線及び四車線の完成予定年度を明らかにされたい。また、現実に四車線にすることが可能かどうか、その見通しも明らかにされたい。

△質問5‐5と6の答弁:

一般国道145号の付替道路については、平成22年度末までに二車線での工事を完了し、平成23年度当初の供用開始を予定している。四車線化の時期及びトンネル部分と橋梁部分の構造については、二車線での供用開始後、交通の状況に応じて検討することとしており、現時点でお答えすることは困難である。

付替国道の用地買収

▼質問5‐7:

付替国道の用地買収において四車線分の用地を買収する範囲と距離数と、すでに四車線分の用地を買収した範囲と距離数を明らかにされたい。

△答弁:

お尋ねの「四車線分の用地を買収する範囲と距離数」は、一般国道145号の付替道路のうち、四車線で整備を計画している区間である群馬県吾妻郡長野原町横壁から同郡東吾妻町松谷までの約9.4キロメートルである。また、お尋ねの「すでに四車線分の用地を買収した範囲と距離数」については、多数の未買収の土地が買収した土地と混在しており、買収が完了した範囲と距離を正確に抽出するためには膨大な作業が必要となることから、お答えすることは困難である。

付替国道工事の費用負担

▼質問5‐8:

付替国道工事の費用の負担割合、すなわち、治水特別会計、道路特別会計、「水源地域対策特別措置法による関係都県」の三つのそれぞれの負担割合を明らかにされたい。

△答弁:

一般国道145号の付替道路に係る費用の負担割合は、社会資本整備事業特別会計治水勘定が約59パーセント、社会資本整備事業特別会計道路整備勘定が約27パーセント、水源地域対策特別措置法(昭和48年法律第118号)に基づく関係都県負担分が約14パーセントとなっている。

付替国道の四車線化が困難になった場合

▼質問59

付替国道工事の費用負担のうち、道路特別会計と、「水源地域対策特別措置法による関係都県」の負担割合は四車線にすることを前提に定められていると聞く。四車線にすることが困難となった場合、この両者の負担割合の前提が変わることになるが、その場合にどのような是正措置がとられるのかを明らかにされたい。

△答弁:

一般国道145号の付替道路については、地域高規格道路の整備区間として四車線で整備を計画しているものであり、現時点では「負担割合の前提が変わること」は想定していない。