超党派の議員連盟は数々あれど、映画議員連盟主催の試写会は、勉強ばかりの議連とは違って、「次回はなに?」と、気になる存在です。今回は、「明日への遺言」という素晴らしい映画と出会えたうえに、監督の小泉堯史さんとの“再会“といううれしいおまけつきでした。
小泉監督は、黒澤明監督の遺稿脚本「雨あがる」で2000年に劇場映画デビューを果たし、以後、「阿弥陀堂だより」「博士の愛した数式」など、ほんとうに良質な日本映画の作り手として高く評価され、世界からも注目されている監督です。実は今からちょうど30年前、黒澤明監督の「デルスウザーラ」等のプロデューサー・松江陽一さんが主宰する「アトリエ41」という小さな映画・舞台製作会社に就職した私は、そこで、同じく助監督になろうとしていた小泉さんと出会ったのでした。水戸出身で居合道に通じた一見マッチョな小泉さんですが、その人柄は、作り出す映画の誠実さに現れています。
今回の「明日への遺言」は、大岡昇平の「ながい旅」を映画化したもの。第二次世界大戦後、無差別爆撃を実行した米軍搭乗員の処刑の罪に問われて、戦犯裁判にかけられた東海軍司令官・岡田資中将の法廷闘争を通して、責任を全うし、家族を愛し、久遠の平和を求めてやまない岡田資の姿が描かれています。感動と共に、岡田資と監督の思いをしっかりと受け止め、心の充電をさせていただいたひと時でした。
映画は、3月1日から劇場公開されます。是非、おおぜいの方々に見ていただきたいです!