4月26日、参議院農林水産委員会からの派遣で、宮城県の被災地を訪ねました。米どころ宮城県はもともと低平な地域に堤防や排水路、排水機場などの農業施設を造成して発展した水田地帯で、地震後の津波で県全体の農地約13万6000ヘクタールの役約1割、1万5000ヘクタールが冠水、0,5m沈降したといわれています。仙台空港から借り上げバスで走ること一時間、東松島市では副市長のご案内で大曲地区の農地等の被害状況を視察。津波によって押し流された船や車や家々が”がれき”と化して、土砂が分厚く積もった広大な水田に散乱する様は言葉を失う衝撃でした。排水路もがれきで埋まり、被災冠水した圃場の排水が災害応急ポンプで進められていますが、未だ水の抜けていない状態では、がれきの撤去もままなりません。もともと自然排水の困難な地域で大部分が国や県が設置した排水機場に頼ってきただけに、下流域の排水機能の被災で、一時は塩水被害のなかった上流域の作付断念の懸念もあったとのこと。市役所に場所を移して、阿部市長をはじめ、JAいしのまき組合長、水土里ネット河南土地改良区と同・鳴瀬土地改良区の理事長、また、農業共済の組合長の方々からお話を伺い、意見交換させていただきました。(写真1:大曲地区)
午後はさらに北上して、原子力発電所もある女川町へ向かいました。宮城県では全142漁港が壊滅的な被害を受けました。 リアス式海岸が天然の良港を形成し、暖流・寒流の魚種も豊富で、全国6位の水揚げ量を誇る女川町も、漁船、漁港施設、養殖施設、市場や加工施設が壊滅的な被害を受けています。安住町長にご案内いただき漁協の皆様からもお話を伺いましたが、意見交換の時間が短くなり残念でした。水産加工はすそ野が広のに、復旧支援は水産加工業まで視野に入れてしっかりやって欲しいとの切実なお声をいただきました。農林水産業の6次産業化こそが再生の鍵でもあるのですから、加工業者の方々への支援も手厚くなくてはならないと思いました。(写真2:女川魚市場、安住町長からご説明を受ける)