食料の安全保障こそ喫緊の課題・・・殺虫剤混入冷凍餃子事件に思う

食品の製造過程では絶対に入り込む余地のない有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が混入した中国産冷凍餃子を食べて中毒症状を起こすという信じられない事件が起き、被害が拡大しています。食品の事故・事件は人の命に直結します。消費者への迅速な情報提供がなにより重要なはずなのに、事件の第一報から商品の回収までに約一ヶ月もかかっています。被害を受けた方々の回復を心から祈ると共に、先ずは原因の徹底究明と再発防止・対応策の確立に国を挙げて直ちに取り組むことが必要です。ずさんな対応とともに、平穏な食卓に迫っているさまざまな危機が丸見えとなりました。厚生労働省・農水省・文部科学省にヒアリングし、申し入れも行いましたが、「まだ、事故とも事件とも言えない状態だ」という、報告はなんともお寒い状況です。これまでも散々指摘されてきた縦割り行政と、国と自治体の連携の悪さ、先進国とは名ばかりの食料自給率の低さ、安全な食べ物を国民に保障するという重大な国家責任を果たしていないこの国の欠陥は明らかです。情報公開が遅れている食品業界だが、輸入食品が原材料としてはもとより、簡単で便利な加工食品として瞬時に日本の食卓にのぼってしまう現実、子どもたちの学校給食にまで直結していた現状にはあらためて驚かされます。(中国製冷凍加工食品は学校給食会を通じて、1府26県の学校給食で使われていた。)日本を攻撃するのにミサイルは不要です。今回の事件は、食料の封鎖(兵糧攻め)と食品テロが日本のウイークポイントであることを鮮やかに内外に示してしまいました。この不都合な真実に負けないためには、代表質問でも取り上げましたが、地産地消と旬産旬消を基本とする日本の食文化を受け継ぎ育てること、そしてなにより、自給率の向上が重要な政策であることをもっと広く共有してもらう活動をしていこうと思います。

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