目的は、環太平洋経済連携協定(TPP)について、政府機関や業界団体、組合やNGO,上院・下院議員事務所を訪問して意見聴取・情報交換すること、現在365人の衆参国会議員が反対していることを知らせることです。
山田正彦前農水大臣を団長に総勢8名。正味4日間で30か所を訪ねる強行軍でしたが、いろいろな発見がありました。その第一は、TPP問題がアメリカでは全く知られておらず、それ以前の問題として自由貿易自体に懐疑的な人が多かった事です。アメリカ一人勝ちのように考えていた北米FTA(NAFTA)でも、100万人の雇用が失われ、世論調査でも7割の米国人はFTAやTPPには反対・懐疑的だというのです。では、だれのためのTPPなのか?ホワイトハウスを窓辺にみる全米労働総同盟の担当者は、多国籍企業の為でしかないと言い切りました。
日本では、輸出倍増・雇用拡大を掲げるオバマ大統領の再選戦略とも伝えられましたが、利害関係が複雑で実は不人気なテーマであり争点にはならないとは、第二の発見・驚きでした。
また、議員たちも選挙区事情によって推進派も反対派もいることがわかり収穫でした。日本の官僚の天下り宜しく、アメリカでは回転ドアと呼ばれて政府高官や交渉官が、時に業界代表、時には役人と立場を入れ替わる様には驚きました。百戦練磨の交渉のプロたちは、一体誰のために働いているのか?言わずもがなだと感じました。国民のためのTPP推進にはみえませんでした。 公園を占拠したOCCUPY運動のテントにアメリカの崩壊を感じました。まさしく、マイケル・ムーア監督の「キャピタリズム」の世界です。
*写真は、パブリック シチズンで会長と一緒に。