今年も、台風や集中豪雨による水害が多発し、都市部でも農山村部でも多くの人的被害が発生しました。川は、時には、多くの災いをもたらしますが、一方で、豊かな水の流れをつくり多様な動植物を育み、生命を繋ぎ、農業や多様な産業に利用され、また舟運で人や物が移動するなど、人々の生活を支えてきました。現政権では、多発する自然災害への対策として“国土強靭化”の名のもとにした、従来手法の強化を中心とした政策が進められています。
しかし、これまでの国土建設に対する検証と“発想の転換”が必要で、水害に対しては治水・水防政策を一体として捉えるべきだと考えます。現在、滋賀県では治水政策を見直すため「流域治水の推進に関する条例」を議会に提案し審議が行われつつあり、注目されています。今回のセミナーでは、これまでの治水・水防政策の変遷などを整理し、基本的な考え方を見直すための調査研究報告と合わせて滋賀県の条例を学び意見交換しました。
*写真は河川改修が、ダム建設より時間もコストも優位だと図を示して解説してくださった講師の滋賀県流域政策局の辻光浩さん。