臨時国会が閉会した。100日以上も閉会していた国会の再開も、総理自らが成長戦略実行国会と銘打ってはみたが、現実は秘密法国会だった。安部自民党政権は、一年前の総選挙では公約にもなかった特定秘密保護法を日本版NSCと抱き合わせて何としても成立させようとゴリ押し、当初12月6日(金)までだった会期をわずか2日間延長したのみで、翌7日土曜日には実質的に閉会となった。度重なる強行採決や野党の常任委員長解任、与党による野党質問の検閲など、わずか一年でこんなにも国会が変わるとは!民主主義もこうして壊されていくのかと、何とも空恐ろしい。
強行採決を経て参議院に送られた特定秘密保護法案は、衆議院よりはるかに少ない審議時間、前日に決定された地方公聴会の開催、結果的に衆議院では一度も議論されていない「保全監視委員会」や「情報保全観察室」など、政府内部のお手盛りチェック機関の設置が急遽答弁された。私もできる限りインターネット中継で審議をフォローしていたが、法案の欠陥は誰が見ても明らかだった。衆議院への差し戻し審議、閣法の出しなおしが当然であるのに、何故こんなにも急いで成立させたかったのか? とにかく、これ以上ボロが出ないように早く国会を閉じたい一心だったのだろう。石破幹事長の“絶叫デモはテロと同じ”発言、担当大臣が病欠となり年内妥結は見込めないTPP,復興予算の未使用・流用問題、大盤振る舞いの公共事業、食材虚偽表示問題、徳洲会問題などなど、年末年始で国民の批判が冷めるのを待つ作戦としか思えない。「説明不足は反省している」と語った閉会後の記者会見でも、自信満々の姿を裏打ちする根拠はどこにも見当たらず、安部総理にも“反省”など微塵も見えなかった。通常国会の開催も1月下旬になるという、野党は追及の手を決して緩めることなく、国民も巨大与党の数を頼んだ横暴は許してはならない!
目次