広島、原爆の日。70年前のあの日も今日のように朝から暑かったという。
議員会館で昼の勉強会を一つ終え、新木場へ、都立夢の島公園にある第五福竜丸展示館へ行った。1954年3月ビキニ環礁で水爆実験に巻き込まれた第五福竜丸は、広島、長崎に次ぐ日本人の第三の被ばく体験だ。核の惨禍はヒロシマ、ナガサキで終わらず、さらに強力な兵器の開発競争が始まり、これまでに地球上で2057回もの核実験が繰り返されてきた。核実験による被害者は周辺住民や兵士など夥しい数にのぼるといわれ、隠されてきた被害の実態が徐々に明らかになるにつれ、被害者は医療や補償を求めて立ち上がり始めている。だが、核開発競争のスタート時点ですでに警告は発せられていた。第五福竜丸の被災をきっかけに1年後に出されたラッセル・アィンシュタイン宣言は、アィンシュタイン、湯川秀樹、ジュリオ・キュリーなど、当時の世界最高の科学者たちが「私たちは人間として、人間に訴える。」と、核兵器廃絶と科学技術の平和利用を訴えたものだ。
今日の広島平和宣言も、核兵器を「非人道性の極み」「絶対悪」と断じ、人間として「共に生きる」ために核兵器の廃絶を求めている。「核兵器のない世界」の実現に向けて取り組むといいながら、「非核三原則」の堅持とは言えない事情が安倍首相にはあるのだろう。ラッセル・アインシュタイン宣言を安倍首相にも詳らかに読んで欲しいものだ。