汚染の状況が目に見えない土壌汚染については、健康被害や土地取引への影響から関心が高まり、平成15年に土壌汚染対策法ができました。この法律では、ある特定の契機で土壌汚染状況調査を行い、汚染が発見された場合は、都道府県知事の判断により汚染の除去などの措置を行い、健康被害を防止することが定められています。しかし、法律の施行前に使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る土地については、附則第3条によって土地汚染状況調査の適用が除外されています。今回の改正では、土壌汚染は不特定多数の者に健康被害が生ずる危険性があり、民主党は施行前使用廃止地のうち特定公共施設等(公園等の公共施設、学校、卸売り市場等の公益的施設、これらに準ずる施設)一定の用途に使用されるものについては、土壌汚染状況調査を行わせる改正案を参議院に提出しました。東京ガス・豊洲工場跡地に東京都中央卸売市場(築地市場)の移転計画のようなケースが、これに該当します。 豊洲新市場予定地は、(株)東京ガスが東京都の環境確保条例に基づき汚染拡散防止計画書を環境局に提出し、すでに処理対策を完了したとして東京都に土地を売却したものの、都の調査で基準の1000倍を超えるベンゼンや8倍のシアンが検出され大問題となっています。私も改正法案の発議者の一人として提出に立ち会い、記者会見に臨みました。有害物質が高濃度で検出された「豊洲」については、すでに東京都が15億円をかけて調査することを決定していますが、この改正案が成立すれば、法律に基づいた調査を行うことが義務づけられます。
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