「小さな人間」の一人ひとりの行動こそ  民主主義を守る力

小田実12日(土)、小田実没後6年のシンポジウム「民主主義を殺させぬために!」が開催され、参加しました。6年前の7月30日、安倍自民党が参議院選挙で大敗したその日に小田実さんは逝かれました。シンポジウムは、小田実の文学と市民運動を考える会、平和を実現するキリスト者ネット、市民の意見30の会、市民=議員立法実現推進本部、良心的軍事拒否国家実現の会、小田実を読む会などの皆さんが実行委員会をつくり、例年8月に開催されてきましたが、今年は「安倍政権のもと激変する政治情勢を注視するため」10月開催にしたとのことでした。荒このみ(立命館大学客員教授)、早野透(元朝日新聞記者・現在桜美林大学教授)、小田実さんの人生の同行者(妻)である水墨画家の玄順恵さんをゲストスピーカーに迎え、私を含め7人市民のリレートークが続きました。

今回、あらためて紹介された雑誌『世界』や『論座』の最終インタビューでは、国民投票法を成立させ改憲に向かおうとする当時の安倍政権に対して、世界で一番民主的といわれたワイマール憲法をナチスドイツが全権委任法を成立させて棚上げした過程に似ていると警鐘を鳴らし、日本の民主主義の危機的状況を最後まで語っておられました。その危惧は今、安倍自民党の復活と自民党一強時代の誕生で、現実のものになろうとしています。国民投票法を「少数権力委任法」と感知し、だからこそ「小さな人間、市民一人ひとりが憲法問題を考えることが問われている」との言葉が胸をつきます。

95年の阪神・淡路大震災の直後から小田実さんが先頭に立って二年半にわたって展開された市民=議員立法「被災者生活再建支援法」実現運動は、”生活再建は自助努力”という国の姿勢を変えさせました。私も国会議員としてその後の改正に立ちあうことができ、東日本大震災と原発事故の発生で、ますます市民=議員立法の必要性を実感・確信しました。しかし、現状の安倍政権は逆方向にすすんでいます。”国が前面に出る”とは、議員立法の“原発事故にかかわる子ども・被災者支援法”に基づく支援計画を当事者の声も聞かず閣議決定することではないはずです。基本理念さえ踏みにじる安倍政権の姿勢には怒りを禁じ得ません。

この6年間、私たちは一体何をやってきたのだろうと気持は重くなるばかりですが、未だにトリクルダウン神話に依拠して自信満々にアベノミクスと振りかざす安倍政権に未来を託すわけにはいきません。ましてや、集団的自衛権の行使を可能にすることを“積極的平和主義”などと言い換えて、反武力・反暴力の日本国憲法の原理を踏みにじることは、決して許されることではありません。民主主義のもとで民主主義を殺さないために、「小さな人間」の行動こそが求められていると実感した今年のシンポジウムでした。小田